ソニーグループがAR開発用のSDK「ToF AR」を公開

2022年6月15日、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は、ToFセンサーを利用して手や指の動きのスムーズな描写を実現するAR開発SDK「ToF(Time of Flight)AR」を一般向けに公開しました。

https://www.sony-semicon.co.jp/info/2022/2022061501.html

独自のAI処理技術により、手や指の動きまでスムーズに描写することができるとのことです。
主な機能として下記の4つが紹介されています。
①ハンドジェスチャー機能
②身体の動きを認識して滑らかに描写する機能
③3Dデータを作成するモデリング機能
④深度情報を元に周りの環境を構築するメッシュ処理(Meshing)機能

このSDKによって試着や寸法を測った上での家具の試し置きなどに応用が可能としています。
サイト内の動画では、ハンドトラッキングによるジャグリングやボディトラッキングによるアバターの動きが滑らかに動作している様子が見られます。

引用元:https://www.sony-semicon.co.jp/info/2022/2022061501.html

さらに、このSDKは「バーチャルシンデレラプロジェクト(VCP:Virtual Cinderella Project)」の公式配信番組などで活用される予定とのことです。

引用元:https://www.sony-semicon.co.jp/info/2022/2022061501.html

また、このSDKはUnity上で開発を行うものであり、iOS、Androidの両方で動作するとのことです。
対象端末はXperia、Galaxy、HUAWEI、iPhoneなどが記載されています。ToFセンサーが搭載されているスマートフォンが主なようです。
また、サンプルプロジェクトも用意されており、チュートリアルのセットアップと合わせることですぐに試すことができます。
また、ToFセンサーが搭載されていないスマートフォンでもビルドすることは可能ですが、使用できる機能に制限があります。

ますます増えるUnity用のSDK

LiDARを搭載したiPhoneの登場などにより、iOS 、AndroidそれぞれのAR用フレームワークであるARKit、ARCore間ではボディトラッキングやハンドトラッキングの有無で機能の差が生じています。このライブラリを使用することでAndroidの一部端末でも高精度なハンドトラッキングなどが利用でき、こういった機能差を縮めることができそうです。

引用元:https://docs.unity3d.com/Packages/com.unity.xr.arfoundation@5.0/manual/index.html

ARを実現するためのUnity用のSDKは様々な企業が出しています。
主要なものでは「Niantic Litchip ARDK」や、「Vuforia」などがありましたが、そこに「ToF AR」が追加された状況です。それぞれ機能や価格設定、利用範囲が異なるため、開発者は目的に応じて使い分ける必要がありますが、選択肢が増えることでより豊かな表現が可能となっていくでしょう。

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