WWDC22で発表されたARkit6、アップデート内容まとめ!

6月6日から10日にかけて行われているWWDC22にて、ApplenはARを表示するフレームワーク「ARKit6」を発表しました。
今まで使用されていたARKit5の機能に加え、様々なアップデートが追加されています。
本記事ではアップデートの内容を解説していきます。

4Kビデオ撮影

映画の撮影をはじめとした映画制作などで活用できるとしています。
従来は4K画質のデータを圧縮することでデータ量や負荷を減らし、60fps、フルHD画質での撮影が可能でした。これを無圧縮にすることで30fps、4K画質での撮影を可能にしたとのことです。

ただし、以下の点に注意が必要です。

  • iPhone11以降、または最新のiPadProが必要
  • アスペクト比は16:9
  • 長時間のAR撮影を行う場合、ARの更新が止まってしまう場合がある

iPad Proでの撮影の際も16:9になるため、実際にディスプレイに表示される画面に比べ、撮影された画面は両端が切り落とされ、拡大されたような見た目になると言うことです。

引用元:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10126/の動画より抜粋

カメラ機能の強化

4K撮影の他にも様々な機能が追加されています。

高解像度のバックグラウンド写真撮影

ARが乗っていない画像を直接イメージセンサーから取得することでARを表示しつつも綺麗な写真を撮ることができます。

引用元:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10126/の動画より抜粋

一例として、過去の撮影された写真と同じ位置、角度で撮影したい場合、ARで撮影場所と角度をへ誘導し、そのまま高解像度の写真を撮影するものが挙げられています。

この事例ではARで地点への誘導と、撮影のフォーカスが描画されていますが、バックグラウンド写真撮影を行うことでARが重なることなく、高解像度の写真を撮影しています。

引用元:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10126/の動画より抜粋

他にも、3Dモデルを生成する機能であるObject Captureと組み合わせるなど、様々な使い方があるとしています。

HDRモードの対応

HDRを使うことで、晴天の雲などの非常に明るく、潰れてしまいがちな部分をはっきりと撮影することができます。

引用元:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10126/の動画より抜粋
Exifタグの埋め込み

撮影時のホワイトバランス設定などの情報を持った、Exifタグを埋め込むことができます。
これにより、撮影後画像をレタッチする際に必要な情報を持たせることができます。

引用元:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10126/の動画より抜粋

Plane anchors

Plane anchorsでは、以前は最初に設置したアンカーの向きが、平面の形に合わせて修正されることがありましたが、ARkit6でははじめに設定した向きのままになるようになりました。

下記の画像では、はじめにノートをアンカーにしており、机の上を平面として認識しています。
左の写真(ARKit6以前)ではアンカーの向きが机に対して調整されていますが、右の写真(ARKit6)ではノートの向きのままです。

引用元:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10126/の動画より抜粋


さらにこの調整の他に、アンカー角度や平面の縦・横幅など、様々なパラメータが取得できるようになりました。

引用元:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10126/の動画より抜粋

モーションキャプチャーの改善

認識精度の向上、ブレの低減が行われ、動き回ってもボーンがぶれることなく追従するようになりました。
また、2D skeltonモードでは、新たに耳の取得が可能になりました。

引用元:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10126/の動画より抜粋

Location Anchors

VPS(ビジュアル ポジショニング システム)と呼ばれる、端末の方位や場所を特定する技術です。AR業界ではGoogleやNianticが世界規模での対応を発表しています。Appleは先駆けて実装していましたが、使用できるのが一部地域のみであり、今回の動向に注目が集まっていました。

以前までは、アメリカ全土と、イギリスのロンドンのみで使用ができました。
今回のアップデートで、多くの都市が追加されました。日本では福岡、広島、大阪、京都、名古屋、横浜、東京の7都市になります。

引用元:https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10126/の動画より抜粋

他にも今年の追加都市として予定されているのが、ニュージーランドのオークランド、イスラエルのテルアビブ・ヤフォ、フランスのパリです。
GoogleやNianticほどではないものの、着実に利用可能都市を増やしており、2社を追従している形となりました。

まとめ

今回のアップデートではトレンドに載りつつも、映像の強化という、目新しくはないものの映像クリエイターにとっては重要な機能を追加していく流れでした。
近年iPhoneシリーズはyoutubeの動画や、映画の撮影に使われる例もあり、撮影ツールとしてプロアマ問わず受け入れられつつあります。
ARでもそんなクリエイターの目線に立ったアップデートと言えるでしょう。

他にもAppleはWWDCで「RoomPlan」という技術を発表しています。合わせてご覧ください。