Qualcommが「Snapdragon Spaces」を開発者向けに公開。AWEで語ったXRの未来

6月1日、チップセットの設計を手掛けるQualcommは、AR開発者向けのプラットフォーム「Snapdragon Spaces」を一般公開しました。

Snapdragon Spacesとは?

Snapdragon Spacesは、ARアプリケーションを開発するためのツールです。SDKとして配布されており、UnityやUnrealEngineで使えるようになっています。

引用元:https://spaces.qualcomm.com/sdk/

Snapdragon Spaces対応のハードウェアと連携しているため、デバイスやアプリケーションの開発をスムーズに行うことができます。また、Niantic Lightshipとの統合やOpenXRに準拠しており移植がスムーズに行えることなどが発表されています。https://www.qualcomm.com/news/releases/2021/11/snapdragon-spaces-xr-developer-platform-launches-create-headworn-ar

2021年に発表され、一部の開発者向けにアーリーアクセスとして配布されていました。今回の発表では配布の対象を一般に解放し、誰でも気軽に開発ができるようにした形になります。

AWEで語ったこと

6月2日に行われたAWEの講演にて、Qualcommはメタバース構築に向けたビジョンを語りました。

市場の位置付け

動画より引用

Qualcommはスマートフォンに搭載されるチップ「Snapdragon」のメーカーとして有名ですが、XR業界でも重要なプレイヤーとして知られています。XR業界に投資を続けており、15年目を迎えました。
その結果、これまでに50のデバイスにSnapdragonシリーズが搭載されています。(Hololens2やMeta Quest2など、主要なデバイスは網羅しています。)

Qualcommでは、XR分野を4つのセクションに分けて事業をおこなっています。

PlatformsはSnapdragon XR1、XR2などのチップセット、その上にトラッキングなどを処理するSoftware&algorithms、Reference designsとしては開発用のARグラスを提供しています。そして4つめがEcosystemとして今回一般開放されたSnapdragon spacesです。

XRデバイス

さて、AR、VRデバイスはさまざまな形がありますが、Qualcommの目指すデバイスはどのようなものでしょうか。
現状、頭につけるXRデバイスだけで処理を行うのは限界があります。そのためPCやスマートフォンなどで演算を行い、WiFiや5G通信を介して結果をXRデバイスに返す形が理想です。その演算を行うデバイスにもQualcommのチップが使われており、より良い体験を提供できます。

Snapdragon Spaces

2021年の発表以来UnityやEpicGames、SquareEnixなどのパートナーを得ながら投資や開発を続けていました。さらに、motororaのスマートフォンと、Lenovoから発売されるスマートグラスがSnapdragon Spaces対応のデバイスとして発表されました。

Snapdragon Spacesを使用して、さまざまなタイプのコンテンツを作成可能です。ヘッドセットを使用したARや、スマートフォンを使用したARもありますが、スマートフォンの画面とヘッドセットのARを組み合わせた形もあります。

例えば、レースゲームの画面はスマートフォンですが、マップはARとして空中に映し出される形です。画面の小さいスマートフォンにおいてARとして外出しをすることで体験をより良いものにできます。
すでに開発をしているゲーム会社も登場しています。

 

まとめ

XR業界で重要な位置を占めるQualcomm。
Snapdragon Spacesの一般開放により、ハードとソフトの両面を抑える動きになりました。SDKの配布としては後発であり、開発者にどこまで受け入れられるかはまだ未知数ですが、ARデバイスとの連携のしやすさは魅力的なものになるでしょう。

Qualcommに限らず、5月から6月にかけてAR業界ではさまざまな発表が相次いでいます。
こちらにまとめていますので、併せてご覧ください。