キヤノン、MR用ヘッドマウントディスプレイ「MREAL X1」を発表

2022年4月21日、株式会社キヤノンは現実映像とCGをリアルタイムに融合するMR(Mixed Reality)を行うヘッドセットの「MREAL X1」を6月上旬に発売すると発表しました。価格はオープン価格となります。

https://youtu.be/nweBR5WqfXc

従来機よりも高視野角かつ高画質となり、重量は359g(ヘッドマウントユニットを含む)と軽量化を実現しています。また、完全なスタンドアローン型ではありませんが、モバイルワークステーションを備えており、屋外での利用も想定されているようです。付属ケーブルも10mあるため、歩き回るような形でなければ利用には困らないでしょう。

ユニークなのが、通常のヘッドマウントスタイルの他に用意されている、頭部に装着せずに手持ちで体験することが可能なハンドヘルドスタイルがあり、気軽な体験が可能とのことです。

Youtube動画より抜粋

 

視野角58°×60°と縦に長く、従来機に比べ2.5枚の表示面積を実現しています。視野角が大きくなったことで、大型の設備などのイメージの確認を一度に行うことができるほか、対面での作業検証や、自分の立ち位置を確認しながらの作業検証などにも使用可能になったとのことです。

画角比較
https://www.canon-its.co.jp/news/detail/20220421mr.html

他のARデバイスとの比較

現在主に使用されているARデバイスとしては、Hololens2MagicLeap1Nreal Lightなどがあります。これらは光学式シースルー方式(メガネのように現実世界をそのまま透過し、ハーフミラーなどを用いてCGを組み合わせる)を採用しており、屋外など周りが明るすぎるところではCGが見にくくなるという問題を抱えています。
それに対し、MREAL X1はビデオシースルー方式(現実世界をディスプレイに映像として表示し、CGを組み合わせる)のARデバイスとなるため、屋外でもはっきりとCGを見られることが期待できます。

ビデオシースルー方式と光学式シースルー方式の比較イメージ
https://www.canon-its.co.jp/products/mreal_display/

ビデオシースルー方式のデバイスは多くありませんが、VRデバイスのARモードの際に使用されることがあります。例えばMetaQuest2はパススルーと呼ばれる機能を使うことで、モノクロではあるものの簡単なARの体験が可能です。他にもXRヘッドセットであるVarjo XR-3などが採用しています。

https://developer.oculus.com/experimental/passthrough-samples/

機能面はどうでしょうか。Hololens2やMagicLeap1はハンドトラッキングを備えており、Hololens2ではさらにアイトラッキングも行います。MREAL X1では詳細はHPで公開されていませんが、映像を見る限りハンドトラッキングには対応していそうです。

値段はオープン価格であり、システム構成により変化するということです。Hololens2は約42万円、MagicLeap1は約27万円、Nreal Lightは約7万円(いずれも本体のみの価格)という価格の中、どういった価格帯になるか注目です。

また、ARデバイスであるNreal Lightに関しては当メディアでもレビューを行なっております。よろしければご覧ください。

https://webar-lab.palanar.com/developer/nreal-light01/