5月10日、Nianticの新作ゲーム「Peridot」が公開されました。このゲームは発売前から、NianticのAR技術を盛り込んだものとして注目されていました。
何がすごいのか、ゲームをプレイしながらみていきましょう。
ARで遊ぶ際の問題点
ARでCGを表示する際、何もしない状態であれば、常に現実世界よりも手前にCGが表示されます。カメラの入力からは奥行きや、写っているものが何であるかを判断することができないためです。
Nianticから公開されている「Niantic Lightship ARDK」(以下、ARDK)では、こういった「世界を理解する」ことを目的として開発されています。
しかし、「Peridot」以前に公開されているゲームやサービスでは、ARDKをフル活用するものはありませんでした。その多くは地面を検知するために使用されているものが多く、場合によっては奥行きがあまり感じられない事もあります。
「現実世界を理解する」ARペット
メッシュ作成による遮蔽物・平面の認識
ARペットが現実世界にいるように見せるには、リアリティに直結する奥行きや地面の認識は重要です。
Peridotでは遮蔽物の認識も行っており、プレイヤーとペットの間に遮蔽物がある場合は半透明となります。また、ボールを投げた際も跳ね返ることがあり、物理演算の対象にもなっていることがわかります。
草花、人間など「写っているものが何であるか」の認識
記事執筆時点で、ARDKで認識できるものは空、地面、(砂や草原などの)自然に作られた地面、(アスファルトなどの)人工的に作られた地面、水、人、建物、枝葉(foliage)、(芝生などの)草地、合計8種に加え、実験的に用意されている花、枝、ペット(犬と猫)、砂地、デジタルの画面、泥、自動車(乗り物)、食べ物、椅子、雪の10種があります。
Peridotでは食べ物を得るための探索や、ペットのミッションで活用されています。
認識精度の高いものの一部は食べ物を得るフィールドの対象になっており、実験的な機能は一部がペットの「いまの気分(=ミッション)」として用意されています。
VPSのデータベースを用いた「どこにいるか」の把握
散歩をしていると、最寄りのスポットが表示されていきます。これはVPSで使用する「Wayspot」の位置を示しています。VPSが有効化される前段階のものも表示されていることから、登録されている画像やデータと、散歩中にカメラで写した光景が一致することをトリガーとして「その場を訪れたか」を判断しているようです。
まとめ
多くの技術が詰め込まれた「Peridot」ですが、何より驚くのはペットの動きのスムーズさ、そして細部まで作り込まれた世界観です。ただの技術デモではなく、このゲームにかけるNianticの意気込みを感じるゲームです。
また、筆者がプレイした中ではARDKにある機能のうち、マルチプレイが確認できませんでした。また、VPSの機能もフル活用されているわけではありません。今後のアップデートで新機能として登場する可能性もあり、楽しみです。