Googleより、クラウドストリーミング技術を活用したサービス「Immersive Stream for XR」が一般提供開始されました。
スマートフォンなどのモバイル端末では、PCに比べてGPU処理機能が弱く、高解像度の3Dモデルなどをレンダリングするのには向いていませんでした。
「Immersive Stream for XR」では、あらかじめサーバー側でレンダリングしたデータを通信することで、スマートフォン側の描画処理性能を気にすることなく描画できる「クラウドストリーミング」の技術を用いて、従来では難しかった高解像度の描画を可能としました。
「Immersive Stream for XR」で可能なこと
例えば車や家などは、細かい部分まで再現するためにはかなりのマシンパワーが必要でした。スマートフォンでは描画するための性能が足りませんでしたが、「Immersive Stream for XR」を用いることで、車や家具を置いた時の質感や、内装の細かい部分までをみて回ることができます。
筆者も事例として紹介されているフォードの電気自動車の表示体験をしてみましたが、質感も本物らしくみえ、内装の隅々を見ることができました。
同様にWebブラウザから3DモデルのAR表示ができるmodel-viewerと操作性も似ており、拡大縮小・移動ができます。
Unreal Engine5を使った制作に対応
記事執筆時点ではUnreal Engine5でコンテンツ制作が可能となっており、デモプロジェクトも公開されています。
ただし、AR表示時のUIは設定できないため、注意が必要です。
また、作成したコンテンツはiframe(HTMLタグ)を使用することでウェブサイトへの埋め込みが可能です。サイトを行ったり来たりすることなく、シームレスに体験することができます。
利用料
「Immersive Stream for XR」では利用料がかかります。下記のようになっており、例えば日本のリージョンを使用すると、1インスタンス(決められた容量に1時間あたりに接続できる数)ごとに$3.63がかかります。
まとめ
「Immersive Stream for XR」はUE5を使用した設定や料金も相まって、個人ユーザーが気軽にコンテンツを作るのは難しい印象です。しかし、展示会やアトラクションなどでは非常に活躍できそうなサービスだと感じました。
サービス紹介ページには他の事例やサービスの使い方などが解説されています。ぜひご確認ください。
また、GoogleはARに非常に力を入れており、他にも様々なサービスを展開しています。こちらの記事も併せてご覧ください。