2022年5月24日に開催されたLightship SummitにてVPS機能が追加されたことが記憶に新しいNiantic Lightship ARDKですが、他にどのような機能があるのでしょうか。
改めてまとめてみることにしました。
Lightship ARDKとは?
2021年5月に一般公開された、ARを作成するSDKです。「Pokémon GO」をはじめとするARゲームを開発してきた経験をもとに構築された、Nianticのゲームの基盤となるものとして公開されました。
これを使用することで、Nianticの掲げる「リアルワールド メタバース」を実現できるようになるとしています。
Lightship ARDKには大きく3つの機能を目的に作られており、Mapping (リアルタイムでの現実世界の再現)、Understanding (環境の理解)、Sharing (体験の共有)と呼ばれています。ここにVPSが加わった形です。
詳しくみていきましょう。
Mapping(リアルタイムでの現実世界の再現)
現実世界の奥行きや、表面がどうなっているかを認識する技術です。
具体的には、メッシュ作成・オクルージョンが挙げられます。カメラの情報をもとに奥行きの理解をしているため、Android・iOS問わず使用できます。
Understanding (環境の理解)
例えばARで花を咲かせたいとき、土に咲かせても水の上に咲かせることはしたくない…といった場合に必要になるのが、今カメラは何を写しているかという、環境の理解です。
ARDKでは空、地面(自然物、人工物の両方)、土や砂(自然にできた地面)、道路やフローリング(人工的な地面)、水、建物、木、草花の7種類を認識します。
Sharing(体験の共有)
複数人で同時に、同じARを体験できるマルチプレイです。ARDKでは最大5人で同時に遊ぶことができます。
サーバー側の設定は不要で、APIとして呼び出すことができるため、比較的簡単にマルチプレイの実装を行うことができます。
ARDKは基本的に無料で使用することができますが、マルチプレイの接続規模によっては今後、利用料金が発生する場合があるので注意が必要です。
VPS
ARDKでは、ポケモンGOなどでユーザーから提供されたデータを組み合わせてVPSで使用できるようにしています。公開時には30,000以上のロケーションが利用可能であり、東京、大阪、名古屋などにスポットが多く登録されています。ロケーションにないところは自分でスキャンすることで利用が可能です。
また、利用時に近場のロケーションを探すこともできるため、応用できるシーンは多くありそうです。
まとめ
今後の開発予定はこちらに記載されています。オブジェクトのスキャンや、セグメンテーションの追加などが予定されているようです。
Lightship ARDKの今後の発展が楽しみですね。
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