先週のWebAR Labの記事では、日本の寺社への参拝客が減少傾向にあるという課題の対策として、ARを取り入れたお寺「AR鳥獣戯画」についてご紹介しました。
ARを体験する方法は「AR鳥獣戯画」のようにアプリで体験できる方法と、WebARというウェブ上でARを体験できる方法があります。
WebARはアプリのダウンロードが不要で、QRコードなどからアクセスして簡単に体験できるのがメリットです。
今回はWebARを活用したお寺「壬生寺(みぶでら)」についてご紹介いたします。
壬生寺(みぶでら)とは
壬生寺は京都市中京区にあり、新撰組と関わりのあるお寺です。
最寄駅の阪急大宮駅には「新撰組のまち」と書かれている看板がありました。
壬生寺の入り口にある看板の説明には「新撰組が大砲や剣術・馬術の訓練をした場所として有名であり、壬生塚には近藤勇の胸像、芹沢鴨らの墓塔がある」と記載されています。
このように壬生寺は新撰組と関わりのあるお寺で、新撰組が使用したあるものをARで体験することができます。
それでは早速体験してみます。
壬生寺のWebARを体験してみた
壬生寺のHPにアクセスすると「壬生寺の境内で、スマートフォンからAR(拡張現実)撮影が体験できる!」と表示されています。
ARは壬生寺のHPからアクセスすることで体験可能となっており、境内のポスターからQRコードを読み込んで体験することもできます。
このARコンテンツはどの場所からでも体験することができるようなのですが、せっかくなので壬生寺で実際に体験してみました。
HPのイラストと同じ場所から体験します。
ARを表示する前の実際の写真はこんな感じです。
ここにWebARでARを表示させます。
カメラを通して地面を認識させると、大砲がARで表示されました。
違和感なく再現されています。
またなぜ大砲なのかというと、HPにこのような記載がありました。
壬生寺では幕末期、新選組が境内で兵法練習をい行っていました。なんと大砲を使った訓練まで、ここで行われていたのです。当時、表門に砲台を置き、本堂の前に築かれた砂山に向けて大砲を打つ訓練がされていたようです。
引用:http://www.mibudera.com/ar.html
今回のAR体験では、当時と同じように表門にバーチャルの大砲を置き、ツーショット記念撮影ができる体験を提供します。
カメラモードでARを撮影したものが上記の写真になります。
今回は同じ方角からの写真しか撮影しませんでしたが、360度視点でこの大砲を見ることができました。
現存していないものを3D再現し、ARを活用して現地で表示させるというのは、当時の情景がよりイメージしやすくなります。当時ここで何が起こっていたのかを感じることができました。
壬生寺のWebARとは
この壬生寺でARが体験できるというWebARコンテンツを制作したのが、NISSHA(日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社)になります。
このコンテンツには以下のような思いが込められています。
壬生は新選組ゆかりの地域ですが、新選組にまつわる当時の資料で、現在まで残されているものがあまり無い状況です。そこで、新選組が使用した大砲を3DCGでリアルに制作しARで配置(現実空間に大砲は無いですが、iPhoneのカメラ上では大砲が目の前に置かれているように見えます)することで、幕末の世界観を再現した写真撮影ができる体験コンテンツとしました。
引用:https://www.nissha-comms.co.jp/results/arvr/art/838/
壬生寺の境内でも、「表門」だけは新選組が訓練していた当時のまま残されていますので、この表門をバックに大砲と写真撮影をすることで、まさに幕末期を再現したリアリティのある写真を撮影することが可能となっています。
まとめ
今回は壬生寺でWebARが活用されている事例についてご紹介いたしました。
ARは3D によって再現したものを実際の場所に表示させることが可能なため、
ご紹介した寺社などの歴史的な建造物で用いられるケースが増えています。
最近では小学校や中学校などの歴史の教科書で、ARが用いられる事例も増加しています。
ARによって再現したものを実際に目で見て確かめることができるため、記憶として残りやすく理解を促進することができます。
ARはエンタメ分野で用いられている印象がまだまだ多いかもしれませんが、教育との相性も良く、幅広い用途で使用できるのが魅力的です。
しかしARと聞くと、作成するのが難しい・コストがかかるなどをイメージされるかもしれません。最近では誰でも簡単にARが記載できるプラットフォームも登場しています。例えばpalanARはオンラインで簡単に没入型ARが作成できます。
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