昨今、VR上で現実の都市を再現する「ミラーワールド」を時々見かけるようになりました。必ずしもそのままVR化するわけではなく、VRならではのアレンジが加えられていることも多いです。
記事執筆時点でミラーワールドは首都圏を中心に作られていますが、それ以外の都市でも作られているところがあり、有志で作成されているミラーワールドも含めると膨大な数になります。
今回は企業によって作成されているものをご紹介していきます。
首都圏
バーチャル渋谷・バーチャル原宿 ※アプリ要
auが推進する渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトの一環としてcluster上で制作・運営されているミラーワールドです。
ミラーワールドの先駆けとなったバーチャル渋谷。フェスやライブイベントなどを行っており、2021年のハロインフェスではのべ55万人が参加しています。
バーチャル原宿はバーチャル渋谷に続く第二の都市として制作されました。
渋谷区宮下公園
渋谷区宮下公園は、アートやカルチャーの発信拠点として親しまれている渋谷区立宮下公園を拡張したバーチャル空間です。WebとPCVRの両方に対応しています。
記事執筆時点では常設の他に、京都展やお花見(PCVR限定)を行なっていました。
バーチャル新宿(仮想伊勢丹新宿店)※アプリ要
仮想伊勢丹新宿店では新宿の百貨店を中心に、街並みを簡易的に再現しています。
水上バスが走っていたり広場のようなスペースがあるなど、バーチャルらしいアレンジが加えられています。
ログインボーナスや街中でコインを発見するといった、ゲーム要素が取り入れられているのが特徴です。
池袋ミラーワールド
池袋ミラーワールドは、テレビ東京によって提供されているワールドです。
池袋駅を中心に様々な場所を回ることができますが、通行人としてNPSが配置されていることやページを切り替えることなくショッピングを楽しむことが可能です。
WebとPCVRの両方に対応しています。
バーチャル秋葉原
バーチャル秋葉原は、現実の秋葉原をサイバーパンクのような世界観にアレンジした空間です。WebとPCVRの両方に対応しています。
神田明神への参拝ができるほか、IPとのコラボも行なっています。
VIRTUAL AKIBA WORLD
VIRTUAL AKIBA WORLDは、JR東日本によって制作されたワールドです。Vket Cloudを使用しており、様々なIPとコラボしています。Suikaの購入から改札へタッチするなど、JRならではの仕掛けがあります。
また、プライベートルームの作成だけでなく「オフ会」専用スペースが用意されているのも特徴です。
首都圏以外
有志のものでは観光地や有名な建物・史跡などがミラーワールドとして公開されている例が多くあります。
企業としての取り組み事例は首都圏に比べまだ多くないと考えられます。
【札幌】PARALLEL SAPPORO KITA3JO
PARALLEL SAPPORO KITA3JOは渋谷区宮下公園と同じようにバーチャル化された公園です。
記事執筆時点ではフラワーカーペットの展示をおこなっています。
HisayaDigitalPark
HisayaDigitalParkは、名古屋市の久屋大通公園をバーチャル化したものになります。
実際にある店の店内を見て回ることや、紹介を見て楽しむことができます。
バーチャル大阪 ※アプリ要
バーチャル大阪は、2025年大阪・関西万博に向けて情報発信をすることをきっかけとして、cluster上で公開されたワールドです。
「バーチャル大阪は、まだ何もない世界。 みなさんの自由なアイデアと共に順次エリア拡大していきます。」とあるように、様々な機能を載せつつアップデートしていく予定だと思われます。
まとめ
少しずつ事例が増えてきたミラーワールド。まだ実験的に運営しているところも多いですが、各企業の試行錯誤が伺えます。
ミラーワールド制作の土台として、国土交通省より「PLATEAU」というプロジェクトが実施され都市データが公開・整備されています。ユースケースも併せて公開されているため、ミラーワールドの制作におけるハードルは確実に低くなってきているでしょう。