プレティア・テクノロジーズ株式会社 は、4月26日、ARクラウドプラットフォーム「Pretia」をEU圏を除くグローバルで正式ローンチしました。
Preteiaとは
Pretiaは、従来のAR開発における問題を解決し、より簡単に開発を行うために提供されるクラウドサービスです。
課題は主に3点あります。
- 現実と開発時の乖離が大きく、意図した場所・大さにARオブジェクトを出すことが難しいこと
- 複数人で体験するARが少ないこと
- これらを実現するには開発コストがかかりすぎること
これらの問題はPretiaを用いることでより簡単に開発が可能とのことです。
Pretiaにより提供されるツールは主に3点です。
1.3Dスキャナアプリ
現実空間をマッピングするためのアプリです。
リリース時点ではARCore対応のAndroid端末でのみ動作、iOSは数ヶ月以内にリリース予定とのことです。
2.開発者用のコンソール
ブラウザ上でマップや開発したアプリを管理することができます。
3.Unity開発用のSDK
スキャンしたマップのUnityへの取り込みや、サーバー接続を行うためのSDKです。
実際に試してみた
まずは公式サイトにアクセスし、会員登録をします。
コンソール画面
ログインすると、コンソール画面にいくことができました。
シンプルでみやすい印象です。
「ダウンロード」からアプリ用のapkファイルがダウンロードできます。(※ストア経由ではなく直接ダウンロード)
Unity用のSDKのダウンロードは少し特殊なようでした。
3Dスキャンアプリ
アプリ使用時には登録したメールアドレスとパスワードが必要です。
入力後の画面はスッキリしています。
試しに部屋をスキャンしてみました。
カメラを動かすことで点群が取れていくのがわかります。点群が少ないうちは、ゆっくりと動かさないとトラッキングが失われることもありました。さらに、画面タップでオブジェクトを置く位置を指定できるようです。
マップを保存したのち、その場でデータを確認ができる「リローカリゼーションテスト」があります。こちらは精度がよく、多少のことでは位置がぶれることはほとんどありませんでした。
Unityでの操作
SDKのインストールは記事に従って行うことができました。ログイン情報や、スキャンしたマップを使用するためのMapキーなどをUnityに入力するため、コンソール画面とUnityを行ったり来たりする必要があるようです。
試しにサンプルプロジェクト(Map-based Relocalization Sample)をインポートしてみました。
このサンプルでは、ピンを立てた場所ではなく、最初にマッピングを開始した位置にキューブが出現します。また、右下のScoreが100になると自己位置の推定ができたということのようで、値が低いとキューブは出現しませんでした。
また、一度出現すると通常の使用ではほとんどぶれることはありませんでした。
まとめ
PretiaはUnityで扱う際に少し戸惑う部分はあるものの、総じて使いやすく精度も良いものとなっています。似たような機能を提供するSDKとしてNiantic LightShip ARDKやVuforiaがあります。特にNianticは最近になって特に、8th Wall社などの有力な会社を買収しており、技術を高めています。
この中にあってPretiaは精度も引けを取らず、空間スキャンして配置するという作業はPretiaの方が扱いやすい印象です。もちろん用途や予算によって使い分ける必要はあるものの、選択肢の一つとして十分に考慮できるでしょう。