先日、アメリカのテック系インフルエンサーが「Project Moohan」を先行体験する動画が公開されました!
本記事では、その動画から判明した「Project Moohan」の特徴や、Apple Vision Proとの相違点について解説していきます。
「Project Moohan」とは
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「Project Moohan」は2024年12月12日に米Googleが開催したメディア向け「Android XR」発表イベント内にて発表された、SamsungとGoogleが共同開発するXRデバイスです。XR向けに設計された新OS「Android XR」が搭載されます。
「Moohan」は韓国語で「無限」を意味するコードネームであり、発売時には変更となる可能性があります。
2025年内の発売が予定されていますが、具体的な時期や価格はまだ明らかになっていません。(2025/02/12現在)
「Android XR」とは
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Android XRは、Googleが開発したXR(Extended Reality:拡張現実)ヘッドセットやメガネ向けの最新OSです。Android XRは、既存のAndroid OSをベースに、XRデバイスに特化した機能や性能が追加されています。
Googleは以前に『Google Cardboard』や『Google Glass』といったハードウェアを手がけていたこともあるのに加えて、長年ARCoreをはじめとしたAR技術開発に力を入れていました。
近年では、Google MapにARを使った案内表示機能が登場したり、Geospatial APIを使った屋外でのAR利用にも積極的です。
『Android XR』ではこれらの機能に加えてAIを搭載することで、見る・働く・探すといったシーンを変えるOSになっています。
Android XRの概要についてはこちら!
先行体験動画から見る特徴
ここからはMarques Brownlee(MKBHD)氏の先行体験動画を参考に、特徴や気になる点について解説していきます。
※まだ先行体験段階の情報であり、仕様は今後変更が加えられる可能性があります。
形状について
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Apple Vision ProやMeta Quest Proに近い作りとなっており、先行して出ている製品を意識して作られているようにも感じます。特徴としては、顔全体を覆うのではなく(Quest Proのように)額で支える構造になっています。
![](https://webar-lab.palanar.com/wp-content/uploads/2025/02/図1.png)
側面から見ると、つるの部分でカバー部分がスパッと途切れていることがわかります。
バンドの調節はダイヤル式で、しっかりと支えられる形状です。
![](https://webar-lab.palanar.com/wp-content/uploads/2025/02/図2.png)
下部には簡単につけ外しが可能なライトシールドがついており、光を完全に遮断したり、シールドを外して周辺視野を広げることができるようです。
上部には排気穴がついたファンとボタン、音量調節ボタンがついています。
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また、右側には少し盛り上がった線があり、タッチパッドになっているとのことです。
コントローラー・操作方法
コントローラーは動画内では登場しておらず、Marques Brownlee氏はどのようなコントローラーが付属するかはまだ分からないと述べており、先行体験では公開されなかったようです。
動画内ではハンドトラッキングのみが使われており、アイトラッキング機能の詳細は不明でした。まだ公開できる段階にない可能性があります。
バッテリー・外付けデバイス
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バッテリーは外付けのものになっていますが、Apple Vision Proとは違いケーブルの取り外しが可能で、規格はUSB-Cのようです。
![](https://webar-lab.palanar.com/wp-content/uploads/2025/02/バッテリー.png)
簡単に抜けないようになっていますが、普通の外付けバッテリーとの接続も可能のようです。
また、マウスやキーボードとの接続も可能です。
UI
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UIについても、Apple Vision ProとQuestに似た特徴があります。操作感も近いと思われ、ヘッドセットに慣れた方なら迷うことなはなさそうです。
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)では、どうしても文字入力がしづらいこともあり、音声入力が主流になっていきそうです。
Metaもおそらくこの方向性を目指しており、Ray-Ban Metaでは先んじてAIと音声入力が取り入れられています。
Geminiとの融合
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Android XRのアピールポイントとしてはGeminiとの融合があげられるでしょう。
動画では音声でGeminiに質問したり、ウインドウ位置を整えたり、囲って検索したりといった使い方がされています。
囲って検索はAndroid搭載スマートフォンでも利用できますが、動画を見ると視界に写った物を手で囲って検索する動作はかなり自然で使いやすそうだと感じました。
使用アプリ
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Androidのアプリが使用できるほか、Google製のアプリであるYouTubeやGoogle MapなどもAndroid XR仕様になっており、全体の体験を底上げしています。
動画内では、Google Mapで2Dの地図ビューから衛星写真、ストリートビューへの切り替えを音声でシームレスに行う様子が移されています。
開発方法・ツール
開発もOpen XRなどに対応しており、既存のものを流用して専用アプリが作りやすくなるように意識されています。
ちなみに、UnityのAndroid XRに関するページを見てみると、イメージトラッキングやハンドトラッキングといった機能はもちろんですが、Object Trackingの項目が確認できます。
![](https://webar-lab.palanar.com/wp-content/uploads/2025/02/オブジェクトトラッキング.png)
これが「Project Moohan」でも使えるかは不明ですが、期待したいところですね!
価格・スペック
価格やスペックもApple Vision Pro同様、高めになりそうです。
チップセットはSnapdragon XR2+ Gen2が搭載されると報じられています。これはMeta Quest 3に搭載されているものよりもハイスペックなもので、ハイエンド向けのものになります。
解像度などの詳細は公開されていませんが、昨今のHMDの流れからすると、おそらく片目4K以上になるのではないでしょうか。(Snapdragon XR2+ Gen 2自体は片目あたり 4.3Kの解像度までをサポートしています。)
https://qualcomm.com/products/mobile/snapdragon/xr-vr-ar/snapdragon-xr2-plus-gen-2-platform
Marques Brownlee氏も解像度については「Apple Vision Proには少し劣る」と述べており、Apple Vision Proと同程度〜少し低い解像度になると思われます。
Apple Vision Proと同じ・違う点まとめ
見た目の第一印象はApple Vision Proとは近いものの、詳しく見ていくと違う点が見られました。
Apple Vision Pro | Project Moohan | ||
形状 | 違いあり | 額と後頭部で支える構造
目の周りを完全に囲う |
額と後頭部で支える構造
目の下のライトシールドを取り外しでき、周辺視野を広げることができる |
ボタン・タッチパッド | 違いあり | ボタンは左に1つ、右に1つの2つ | ボタン2つに加え、タッチパッドあり |
バッテリーの搭載方法 | 同じ | 外部 | 外部 |
バッテリーケーブルの付け外し | 違いあり | ✕不可 | ◯可能 |
操作方法 | 同じ? | 音声
ハンドトラッキング アイトラッキング |
音声
ハンドトラッキング アイトラッキング、コントローラー?(動画では公開されていない) |
まとめ
以上、先行体験動画から判明した特徴をご紹介しました!形状などはApple Vision Proと近い部分もありつつ、Geminiとの連携など、Googleならではの機能もあり注目です。
徐々に全貌が明らかになっている「Project Moohan」、発売が待ち遠しいですね!
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