AR開発で使用する3Dモデルの作成手順から実装までを徹底解説。

AR開発には、言語を使った開発も必要ですが、3Dモデルを使用した開発が非常に大事になってきます。3Dモデルの作成には、様々なツールがあり初心者向けから上級者向けのものまで様々です。

そこで、この記事ではAR開発で使用する3Dモデルの作成手順から実装までの流れや、どのようなツールがあるのかを紹介していきます。

この記事を読むことで、3Dモデルが完成するまでの流れの全体感を掴むことができるので、ぜひ最後までお付き合いください。

▼この記事でわかる内容
  • 3Dモデルとは?
  • AR開発で使われる3Dモデル作成ツール

→AR制作の実現可能性や費用感、進め方はこちらから

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3Dモデルとは?

3Dモデルとは、三次元(3D)として作成されたCGで、立体的なモデルデータのことです。紙に書かれた画(絵)や写真は、2Dの画像です。それが奥行きのある立体モデルとして立ち上がったのが、3Dモデルにあたります。

AR開発での3Dモデルは、ARに適用できるような形で処理を行うことで活用されます。

AR開発で3Dモデルの作成から実装する手順

AR開発で3Dモデルの作成から実装する手順は、使用するツールによって異なりますが、大まかに分けて以下の3つのステップで制作されます。

▼AR開発で3Dモデルの作成から実装する手順
  • STEP①|3Dモデル作成ツールでアセットを作成
  • STEP②|3DモデルをAR化する
  • STEP②|公開する

STEP①|3Dモデル作成ツールでアセットを作成

まず、AR開発で使用する3Dモデルの作成ツールを選択します。ツールには下記のような種類のものがあります。

▼3Dモデリングツールの種類
  • Blender
  • Maya
  • 3ds Max
  • Adobe Aero

上記のツールから、ご自身の目的にあったものを選択したら、モデリングを始めていきます。モデリングとは、簡単にいうと3Dモデルを作成することです。この段階では、まず「形状」を作り上げます。

その後、テクスチャリングによって色や質感を追加して、よりリアルまたはスタイリッシュな外観を作っていきます。

STEP②|3DモデルをAR化する

3Dモデルが完成したら、AR化に進んでいきます。そのために、開発環境等を整備したのちに、UnityなどのゲームエンジンにAR Foundationなどのフレームワークを設定します。

ここまでできたら、3Dモデルのインポートに進んでいきます。STEP①で作成した3DモデルをAR開発環境にインポートしていきましょう。

その後、AR機能の実装に進んでいきます。例えば、平面認識、オブジェクト認識、画像認識など、アプリケーションに必要なAR機能を実装していきます。ここでの作業は現実空間に馴染ませていくものと考えて良いでしょう。

ユーザーが3Dモデルとどのように対話するかを決定し、タップ、スワイプ、音声コマンドなどの、3Dモデルに「動き」を付け加えていきます。

STEP②|公開する

ここまでできたら、テストフェーズに入っていきます。開発したARアプリケーションを実機でテストし修正点等を洗い出し最適化していきます。

テストが完了したらプラットフォームにアプリケーションを公開します。公開にあたっては、展開する各種プラットフォームのガイドラインに従って必要な情報を揃えておきましょう。

【初級者向け】AR開発で使われる3Dモデル作成ツール

デフォルトで3Dアセットが付いていて簡単なAR開発を行いたい人向けの3Dモデル作成ツールについて紹介していきます。

ツール①|Adobe Aero

「Adobe Aero」はカメラ越しの現実世界とアセットによりARコンテンツを制作できるアプリです。

図形や植物などの標準アセットを利用できるほか、自分で作成したアセットを流用できます。直感的にARコンテンツを制作できるため、プログラミングなどの専門知識が不要です。

実世界にアセットを配置して、動作を設定するだけでARコンテンツが作成可能となっています。

▼Adobe Aeroの操作方法はこちら
Adobe Aeroとは|ARアプリ開発でできることと使い方について解説。

ツール②|palanAR

「palanAR」はコードを書かずにオンラインでWebARが作成できるツールです。 無料から使えるので、ARを使った名刺やプロモーションなど、少ない予算でも作成可能です。

3Dアセットはデフォルトで準備されたものが豊富にあり、0→1で構築する必要性がない点も魅力です。

直近だと「Ready Player Me」と連携しアバター作成機能を提供しています。その他にも、国土交通省が提供する日本全国の都市デジタルツイン実現プロジェクト「PLATEAU」の3D都市モデルも使用することが可能です。

▼関連リンク
WebAR作成サービス「palanAR」が国土交通省「PLATEAU(プラトー)」の3D都市モデルをAR内で活用可能に

また、複数の機能(下記参照)に対応したAR開発が可能で、拡張性の高いツールと言えるでしょう。

▼palanARで使える機能
  • マーカー
  • 画像認識
  • 平面認識
  • マーカーなし
  • フォトフレーム
  • 空の認識
  • ポータル
  • VPS
  • 手の認識
  • ボリュメトリック
  • 顔認識
  • GPS
  • ぬりえ

【上級者向け】AR開発で使われる3Dモデル作成ツール

0→1で3Dアセットを作成して高度なAR開発を行いたい人向けのツールについて紹介していきます。

ツール①|Blender

 Blenderは、オープンソースで無料で利用できる3Dモデル作成ツールです。これが実現できる背景には、運営団体がBlender財団という非営利団体が開発していることにあります。これにより、誰でも無料で使用することができるのです。

モデリング、テクスチャリング、アニメーションなど、3Dコンテンツ制作に必要な全ての機能が詰まっています。

ツール②|Maya

Mayaは、上級者向けの3Dコンピューターグラフィックスソフトです。映画、テレビ、ゲーム開発など幅広い業界で使用されています。

特徴としては、高度なモデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング機能を持ち、ARコンテンツ制作にも適しています。

ツール③|ProBuilder(Unity内ツール)

Unity ProBuilderは、Unityエディタ内で直接使える強力なモデリングツールです。ゲーム開発者やデザイナーが、コーディングや外部の3Dモデリングソフトウェアに頼ることなく開発を進めることができます。

直感的な3Dモデリングが可能で、

ユーザーは頂点、エッジ、面を直接選択し、移動、回転、スケール変更することで、容易に3D形状を作成・編集することができます。

まとめ

この記事ではAR開発における3Dモデルの開発について焦点を当てて解説してきました。3Dモデルの手順としては主に3つのステップで進められることについて解説していきました。

▼AR開発で3Dモデルの作成から実装する手順
  • STEP①|3Dモデル作成ツールでアセットを作成
  • STEP②|3DモデルをAR化する
  • STEP②|公開する

また、3Dモデル作成ツールには以下のようなツールがあることを紹介してきました。

▼3Dモデリングツールの種類
  • Blender
  • Maya
  • 3ds Max
  • Adobe Aero

この記事ではあくまで網羅的な情報を提供してきましたが、ご自身の開発したい内容に合わせてどのツールを選べば良いか考えてみてください。また、こうした点がわからない場合は、ぜひ我々に問い合わせてみてください。

また、ツールやサービスを選定する際には、要件に合った機能の有無や操作性・誰がツールを運用するか・サポート内容をしっかりと確認しておきましょう。

palanでは、国内随一の実績を元に、ARの企画から制作実行まで支援しております。ARに関する課題やそもそもどう進めて良いか分からない方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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