3Dモデルの形式は非常に多岐に渡り、用途によって使い分けられています。
本記事ではWebARでよく使われる拡張子であるglTF、GLB、OBJ、FBX、USDZについて解説していきます。
WebAR・ARでよく使用される拡張子
glTF
glTF(GL Transmission Format)はアメリカの非営利団体であるKhronosグループによって開発されたフォーマットです。主にWebブラウザ上で動作することを主眼において策定されました。
イメージとしては、Webブラウザ上でよく使用される画像形式であるjpegの3D版といったところで、さまざまなWebサービスで対応しています。
glTFは、構造を記述したJSON形式のgltfファイルと、メッシュとベクトルデータを含むbinファイル、必要に応じてテクスチャファイル(jpgやpng)を加えた3種類のファイルによって表現されています。
こちらではglTFを使用したARを体験いただけます。
モデルの中にアニメーションも含めることができるため、キャラクターが動いているのが分かります。
https://palanar.com/ar_contents/bb07996664da4627
VRM
glTFをベースとして作成された形式としてVRMがあります。
一般社団法人VRMコンソーシアムによって策定され、clusterやバーチャルキャストなどのVRSNSで用いられることで知られています。
アバターの表情や、ライセンス情報を盛り込むことができるといった、アバターとして必要な機能を揃えているのが特徴です。
GLB
glTFをバイナリ形式で表現した形式です。
glTFを出力する際、最低でもgltf形式とbin形式の2種類が出力されますが、glbでは全てまとめて1つのファイルとして出力されるというメリットがあります。
OBJ
OBJは、Wavefront Technologies社によって開発された形式です。
頂点座標などのモデルの形状を記したobjファイルからなりますが、表面状態の情報をもつmtlファイルを含めることができます。
他の形式に比べシンプルで軽いのが特徴で、多くの製品・サービスで対応されています。
こちらではOBJを使用したARを体験いただけます。
アニメーションを含めることができないため、先のglTFと異なりキャラクターが動いていません。
https://palanar.com/ar_contents/fa9e357da9bee084
FBX
FBXはKaydara(現在はAutodesk)によって開発された形式です。
モデルやアニメーションなどの情報をもつfbx形式と、必要に応じてテクスチャファイルを使用します。
OBJとは違いリグやモーションのデータを格納することができ、多くの製品・サービスで対応されています。
こちらではFBXを使用したARを体験いただけます。
モデルの中にアニメーションも含めることができるため、キャラクターが動いているのが分かります。
https://palanar.com/ar_contents/741b6f82217102c7
USDZ
USDZは、Pixar Animation Studiosによって開発されてきた形式です。
Appleによって推進されており、特にiOS端末ではアプリが不要でAR Quick Lookによる表示が可能という特徴があります。
下記のリンクからもUSDZのモデルを表示することができます。(iOS限定)
AR表示する際にモデルをタッチをすると音楽が流れるといった、他の形式よりもリッチな体験ができるのが強みです。
https://palanar.com/ar_contents/3d5b02f467340701
このように、多機能でさまざまな表現を盛り込むことができる反面、Apple以外ではサポートに乏しいと言うデメリットがあります。
まとめ
以上、5つのフォーマットについて解説しました。
WebARでは特にglTFがよく使われる印象ですが、複数のフォーマットをサポートしているサービスも多く見かけます。
用途によって使い分けると良いでしょう。
他にもさまざまな専門用語が使われるAR業界。
こちらにも用語がまとまっていますので、参考にご覧ください。