自治体でのAR活用事例まとめ【観光・防災・スマートシティ・教育】

近年さまざまな分野で活用が進むAR(拡張現実)技術ですが、自治体においても、ARを活用した取り組みが注目を集めています。

本記事では、観光、防災、スマートシティ、教育という4つのカテゴリーに焦点を当て、自治体におけるARの活用事例をまとめます。

「これからAR技術を活用していきたい」「他自治体ではどのように活用しているのかを知りたい」という方はぜひ参考にしてください。

観光

広島県三次市『もののけ探索AR』

画像引用元:https://miyoshi-mononoke.jp/2024/10/4235/

広島県三次市の歴史と妖怪を題材にした観光アプリの例です。アプリを使って街中にカメラを向けると、『もののけ』がARとして出現します。また、『もののけ』と会話をしたり、仲間にすることができ、仲間を増やすことで、景品が当たる抽選に参加できるようです。

また既存の3D都市モデルを活用することで、町や建物の形状が正確に表現されています。

奈良県桜井市『YAMATO 桜井周遊ARガイド』

画像引用元:https://www.city.sakurai.lg.jp/sosiki/kyouikuiinkaijimukyoku/bunkazai/YAMATO_sakuraiAR.html

かつて市内に存在していた建物を、ARによって再現している事例です。

現地にて専用のアプリからカメラを起動すると、目の前にかつての塔や城をARによって出現させることが可能です。また、同アプリには研究員による文化財の解説機能も実装されているようです。

観光でのAR活用事例はこちらもご覧ください。

【2024最新】日本国内でのARを使用した観光・旅行事例15選

防災

石川県金沢市『水害ハザードマップアプリ』

画像引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000139.000034925.html

石川県金沢市の『水害ハザードマップアプリ』の事例です。こちらは金沢市民の方に、水害リスクの理解促進と情報伝達を目的として配布された、ハザードマップのアプリです。

こちらのアプリではハザードマップの機能だけでなく、ARでの避難経路案内やARの洪水体験ができます。避難経路案内では、同アプリ内のカメラをかざすと、最寄りの避難場所の方向や距離がARで表示されます。また、洪水体験機能では、カメラを向けると、GPS情報と想定浸水域の情報を利用して、自身のいる場所がどのくらいまで浸水するのかを、ARによって擬似的に体験することができます。

東京海上日動火災保険『災害体験AR』

画像引用元:https://www.sankei.com/article/20230823-NBGAWOBMJNIHVM6COVBL4XEDVU

こちらは東京海上日動火災保険が開発した『災害体験AR』です。自治体や教育機関向けに提供されており、Webページ上でARの体験ができます。こちらの事例も同様に、GPSと各自治体が公開している浸水想定域の情報を反映して、自身がいる場所がどのくらい浸水し得るのかを視覚的に体感できます。また、洪水だけではなく、土砂災害のARも開発されました。

まちづくり・スマートシティ

愛知県岡崎市『岡崎まちなかARウォーキング』

画像引用元:https://www.pref.aichi.jp/press-release/smartcity-modelproject/2023okazaki01.html

市町村のスマートシティ化を目指した施策の一つとして、ARによる回遊促進事業である『岡崎まちなかARウォーキング』が実施されました。

こちらの事例では、各スポットでQRコードを読み込むと専用のアプリが立ち上がり、街中の歴史観光資源にカメラをかざせばARの体験ができます。体験できるコンテンツとしては、龍が城の井戸から昇天したという『昇龍伝説』などの5つがあるようです。

豊洲『ARナビゲーションアプリ』

画像引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000110464.html

豊洲場外マルシェでの、ARグラスの利用を想定したナビゲーションアプリの実証実験の事例です。「ARグラスが普及した未来」を見据えたコンセプトをもとに、観光・購買体験の最適化を目的として、MagicLeap2を採用したARナビゲーションアプリが開発されました。

画像引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000110464.html

このアプリはかなり実験的なもので、都市の情報が集約された都市OSとの連携、商品・店舗のレコメンド、ARによる交通ガイダンス、行動ログの収集などの機能が盛り込まれています。

教育

Minecraftカップ運営委員会『Minecraftを使って丸の内で働く人にとって幸せな空間をデザインしよう!』

画像引用元:https://edu.watch.impress.co.jp/docs/news/1621105.html

Minecraftカップ運営委員会が実施した、小学生向けのワークショップ『Minecraftを使って丸の内で働く人にとって幸せな空間をデザインしよう!』の事例です。

子どもたちは、三菱地所の取り組みや、実際に街を行き来する人々の過ごし方を観察して、働く人にとって何があると良いかを考えました。できたアイデアをMinecraftにて作成し、その成果物をARとして実際の丸の内に設置した様子がレポートとして公開されています。

神戸市立義務教育学校 港島学園『防災ARアプリ』

画像引用元:https://jocr.jp/raditopi/2024/01/17/550185

大阪公立大学都市科学・防災研究センターをはじめとする三者らが、兵庫県の神戸ポートアイランドにて実施した、防災教育の例です。

こちらでは、『スピーカー付きドローン』を中心とし、ARアプリも活用した講義や体験などが行われました。授業では、同センターが開発したARアプリによって、構内を歩きながら津波により校舎やグラウンドなどで水位が上昇した様子をARで体験したようです。

まとめ

AR技術は、自治体の様々な課題解決に貢献する可能性を秘めています。本記事で紹介した事例のように、ARは観光地をより魅力的に演出したり、防災意識を高めたり、市民生活をより便利にするなど、多岐にわたる分野で活用されています。

今後、ARグラスなどデバイスの進化・普及、AIとの連携などにより、AR技術はさらに進化し、より高度な体験を提供できるようになることが期待されます。

本記事がAR活用のヒントになれば幸いです。

palanについて

本メディアを運営するpalanでは、自治体様とARを通したさまざまな取り組みの実績がございます。

【観光】広島県江田島市様『AR巡ってえたじま スマホdeスタンプラリー』

広島県が主催する県内の15市町とスタートアップ企業をマッチングする「The Meet 広島オープンアクセラレーター」を通し、「恵み多き島『えたじま』ファン拡大プロジェクト」の企画としてARスタンプラリー企画をご支援させていただきました。

島を丸ごとAR化する施策で、三高山の砲台・しびれ峠の桜・長瀬海水浴場など、全10箇所のスポットを巡り、ARを楽しみながらスタンプを貯めることで、豪華景品に応募できるという企画です。

palanが開発するAR Mapsを活用し、地元民だからこそ知っている地元の魅力・価値をARを通して体感できるスタンプラリーとなりました。

事例詳細はこちら:https://palanar.com/cases/232

【DX支援】愛媛県『DX-SEEDsえひめ ARワークショップ』

「DX-SEEDsえひめ」は、地域課題の解決に求められる実践的なデジタルスキルの向上を図り、地域へ波及することで県内のDXを推進することを目的に行われているプロジェクトです。

本ワークショップは「DX-SEEDsえひめ」内の1つの取り組みとして、愛媛県庁、FM愛媛、株式会社さくら印刷とpalanの4社共同で開催されました。

ノーコードAR作成ツール「palanAR(パラナル)」を本ワークショップに提供し、ARの活用方法や事例などをご説明。palanARを使用したAR作成や観光施策のアイデア出しのサポートを行いました。

 「地域×観光×AR」の実現に向け、ワークショップに参加した団体から行いたい企画を募集し、選定された3つのプロジェクトにノーコードAR作成ツール「palanAR(パラナル)」を提供、技術的なサポートも実施されます。

事例詳細はこちら:https://palanar.com/cases/240

自治体でのAR活用に関するご相談

palanではARの企画・開発、Apple Vision ProやXREALなどXRデバイス向けのコンテンツ開発、ワークショップの実施などを行っております。

企画から相談可能ですので、「ARを活用してみたいけど、自分の自治体ではどう活用したらよいかわからない」という場合もお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら:https://studio.palanar.com/contact
サービスご説明資料はこちら:https://studio.palanar.com/dc_download_palanarstudio