美容業界におけるAR「バーチャルメイク」導入のメリットと事例

ARといえば、エンタメ業界で頻繁に活用されているイメージがあると思いますが、実は美容業界でもARを活用する企業が増えています。例えば「バーチャルメイク」は様々な企業で導入されており、コスメブランドのECサイトなどから気軽に体験することができます。

バーチャルメイクの最新事例

そこで今回は、コスメのテスターを非接触で体験できるAR活用のメリットと事例をご紹介します。

1美容業界におけるAR「バーチャルメイク」のメリット

①テスターに直接触らずに試すことができる

コロナ禍において、衛生面に配慮して一時店舗ではテスターの使用が禁止されていました。それ以前でも衛生面が気になるということでテスターを使用するのを躊躇う人たちもいましたから、非接触で試すことができるARはそれらの悩みを解決します。

②様々なアイテムを短時間で試すことができる

あるアイテムを試してみたい場合、デパートのコスメカウンターであれば30分程の時間を要しますが、ARを利用すれば数秒で体験することができます。
また何回も違うアイテムを試すこともできるため、気軽に様々なブランドやアイテムを試すことができるのです。
更に店舗へ行かなくてもブランドのECサイトからバーチャルメイクを行うことができる事例も増えてきたため、ネット上で試着〜購入までのプロセスを一括で済ますことができます。

③思っていたのと違った現象を払拭できる

ネットでコスメを購入するデメリットとして、ネットで見ていた色味と実際違うといった現象がありました。しかしネットからバーチャルメイクを試すことができるようになり、その現象を防止することができます。

2美容業界におけるAR・バーチャルメイク活用事例

資生堂

https://www.youtube.com/watch?v=Zd47IAhQj74&t=98s

2020年に資生堂は、Snapchatのカメラアプリ「Snap Camera」で、PCのskype、Google Hangouts、Teams、ZOOMなどのオンライン会議ツールで「マキアージュ」の最新メイクを楽しめるARフィルターの提供を開始しました。4種類のメイクを楽しめて、更にはメンズメイクにも対応しており、気に入ったメイクの商品を資生堂の特設サイトから購入することができます。

マスクを着けてシミュレーションできるバーチャルメイクの画像

また自社のECサイトでも7種類のブランドのコスメを試すことができます。コロナ禍ならではのマスクを付けて着けてシミュレーションを行うことも可能です。

コフレドール

コフレドール「COFFmi」のイメージ画像
出典:カネボウ化粧品株式会社プレスリリース

コフレドールはカネボウ化粧品のブランドで、2020年にパーフェクト株式会社という台湾のスタートアップテック企業によって開発された「COFFmi」というデジタルサービスをローンチしました。このサービスはユーザーの顔をAIによって分析し、約7000通りの中からその人に似合うメイクを提案してくれるというものです。
サービス提供後、カネボウ化粧品は「COFFmi」とその機能を搭載していない別商品のページを比較すると、pv数が11.4倍、平均滞在時間は2.48倍という結果が出ました。*

*パーフェクト株式会社サイト参考

CANMAKE

canmakeも自社のECサイトでバーチャルメイクとコスメの販売を行っています。
それだけではなくinstagramも活用し、
自社コスメを使って表現できる顔をARエフェクトで提供しています。使用アイテムはストーリーのハイライトにて紹介されています。

Amazon

https://youtu.be/V2UfvCow0ZA

Amazonは2019年から化粧品会社のロレアル傘下のモディフェイスのAIとARを活用し、バーチャルメイクを導入しています。
モディフェイスが開発したこの技術は、日本国内のEコマースにおいてAmazonが初めて導入しました。

現在対応しているブランドは17社です。

ZOZOTOWN

2022年4月、ZOZOもパーフェクト株式会社の技術を活用し、「ARメイク」をZOZOCOSMEに導入しました。
パーフェクト株式会社が提供する国内ECサイトにおいて、コスメのブランド数は最多となっています。

3まとめ

今回は美容業界におけるAR活用の事例、バーチャルメイクについてご紹介しました。
コロナ禍ならではの「非接触」を実現できるのがARです。ECサイトだけではなく、店頭でもARを活用したバーチャルメイクが当たり前になる日も近いかもしれません。