近年、拡張現実(ArgumentedReality:AR)を使ったサービスを目にすることが増えてきています。プロモーションやゲームはもちろん、教育やイベント、観光など、様々な場面でARが使われており、需要が高まっていることが分かります。
そのため、「自社でもARを用いた広告を出したい」「ARを活用したサービスを提供したい」と考える企業も多いのではないでしょうか。
ARの制作を依頼する場合、依頼先や内容によって費用が変わってきます。今回は、AR制作を依頼する際の費用や発注の流れ、依頼時のポイントを解説します。
ARの種類
まず初めに、ARの種類3つをご説明します。
カテゴリ | 概要 | 事例 |
iOS/Android向けARアプリ | モバイルデバイスを用いてARを提供するアプリ |
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WebAR | アプリではなくWebのQRコードでARを提供するサービス |
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XRデバイス用アプリ | ARを体験するためのウェアラブルデバイス |
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種類①|iOS/Android向けARアプリ
「iOS/Andoroid向けARアプリ」とは、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを通じて提供されるアプリです。
ゲームや教育、小売りのマーケティング、プロモーションなどで使われています。代表的な例として、ポケモンGOやSnapchatがあります。
ポケモンGOは、アプリのAR機能を用いて現実世界とゲームの世界を重ね合わせ、現実の街中を歩きながらポケモンを集めていくゲームです。
ARのブームの火付け役とも言われており、多くのユーザーがいます。Snapchatは、AR技術を用いた画像・動画投稿SNSです。
ユーザーは、ARフィルターを用いた写真や動画にエフェクトやテキストの装飾、3Dモデル化された商品の試着などができます。
実際にGUCCIが、46日間限定でスニーカーの試着体験ができるAR広告を出しており、1,800万人が利用しました。
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種類② | WebAR
「WebAR」とは、Webブラウザで体験できるARです。アプリのダウンロードが必要なく、自分のスマホデバイスからQRを読み込むことで利用ができるため、ユーザーは気楽にARを体験することができます。
プロモーションやイベント、観光などで、よく活用されています。例として、じゃがりこのプロモーションや劇場版スラムダンクのキャンペーンがあります。
じゃがりこのプロモーションとして提供されたWebARは、instagramで使用できるARエフェクトです。ユーザーはパッケージに記載されているQRコードを読み込むことで、ARエフェクトを用いて撮影することができます。
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劇場版スラムダンクのキャンペーンでは、映画を鑑賞した方へのノベルティとしてARを用いたコースターが配布されました。
ユーザーがコースターをカメラで読み込むと、コースターに描かれたキャラクターが動き出し、それをSNSに投稿することができます。
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種類③|XRデバイス用アプリ
「XRデバイス用アプリ」とは、ARやVRを体験するためのウェアラブルデバイスです。眼鏡の形をしたグラス型XRデバイスなどもあります。
XRデバイス用アプリは、ユーザーの視界にデジタル情報を重ねて表示することで、リアルタイムの情報提供や拡張空間での体験を可能にします。
例として、Meta Questを用いたVRトレーニングがあります。ファイザー社は新しい技術で作られたワクチンの大量生産に向け、3D空間上に生産設備を再現し、複雑な生産工程を模したVRトレーニングを導入しました。
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ARコンテンツ制作の費用相場
続いて、ARコンテンツを制作する際の費用を解説します。一般的に、制作費用は以下の計算式で算出できます。
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またAR制作を外注する場合は、制作内容や外注先の評価によって費用が大きく変動します。
例えば、1分未満のAR体験を1ヶ月間依頼する場合の最低価格は50,000円程度ですが、トレーニングで長時間し、かつ長い期間で使うアプリを外注した場合、750万円程度になることもあります。
このように変動する外注の費用相場について、より詳しく解説していきます。
費用相場①|人件費
ARアプリ開発に関わる人件費の相場は、システムエンジニアのスキルレベルに応じて変わります。一人につき60万円から200万円程度です。
よって1つのARアプリを制作するには、最低でも200万円程度、通常は500~1,000万円程度かかります。
ARアプリ開発に関わる人員 | 費用相場(1か月あたり) |
・請負業社/孫請業社 ・フリーランスのプログラマー |
60~80万円程度 |
・大手企業在籍のプログラマー | 100~200万円程度 |
・システムエンジニア(初級) | 50~150万円程度 |
・システムエンジニア(中級) | 150~180万円程度 |
・システムエンジニア(上級) | 180~200万円程度 |
費用相場②|デザイン・実装費用
ARコンテンツ制作費用は、デザインや実装内容によっても変動します。
内容 | 費用相場 |
2DCG・3DCG | 20万円~ |
UIデザイン | 15万円~ |
AR実装 | 20万円~ |
ARコンテンツを発注する際の流れ
次に、ARコンテンツ発注の流れを説明します。以下の図のように、発注からコンテンツ作成、その後の対応まで、主に5つの段階に分かれています。
STEP①|ヒアリング・企画
まず初めに、プロジェクトの目的や目標、ターゲットを明確にします。そのために、制作会社は、打ち合わせを設定しプロジェクトの要望や目的をヒアリングします。その中で明確になった要望をもとに企画書が作成されます。
プロジェクトの範囲やスケジュール、予算も、この段階で決定します。このヒアリング・企画段階では、AR使用中のUI体験にフォーカスがいってしまうことが多いため注意が必要です。
体験者がどのような場所で、どうやってARを立ち上げ、何を目的として体験するのか、などの設計をしっかり行うことが、最終的なARプロジェクトの成功に繋がります。
また、前提条件のすり合わせは確実に行いましょう。前提条件で合意が十分にできていない状態で次のステップに進んでしまうと、途中で変更が発生し追加費用やスケジュール遅延が発生する可能性があります。
STEP②|アセットの作成
アセットの作成段階では、プロジェクトで使用する3D素材や画面のデザインを作成します。
まだAR体験に慣れていない方も多いので、どのようにユーザーをオンボーディングするか、AR体験後はどういう動きをしてほしいのかを考え、UIのデザインについて固めていきます。
3D素材のクオリティはARのクオリティに直結するため、非常に重要です。
また、どういう状況でユーザーが体験するのかを考えながら、適切なアセットの入れ込みを行うことも重要です。WebARにおいて、3D素材のクオリティばかりを追い求め最適化を行わない場合、読み込み時間がかかってしまいます。
STEP③|開発
AR自体の開発を行います。ARを組み込み、認識する対象物などを定義していきます。
この段階では、プログラマーやデザイナーなどのチームが、具体的なコンテンツやアプリケーションの開発に取り組みます。
プロジェクトリーダーはプロトタイピングや進行中のレビューを通じて、計画に沿って進んでいるかを確認します。
STEP④|動作テスト
開発が一定の段階に達したら、動作テストを行います。
このテストは、単体テスト、結合テスト、システムテストなどが含まれ、アプリケーションやシステムが仕様通りに機能するかを確認します。
ARは光の具合などによって認識精度が変わるため、実際の場所での検証を行うことも大切です。そしてテストの中で不具合が見つかった場合は、修正や再テストが行われます。
STEP⑤|運用保守・効果検証
最終的なテストを経て、ARコンテンツがリリースされます。
しかし、リリース後も定期的なメンテナンスやアップデートが必要になることがあります。例えば、どれくらい見られているか(体験率)、どこがタップされているか、どれだけ写真を撮ってくれているか、などのレポーティングをもとに評価します。
そしてプロジェクトの目標が達成されているかを評価し、必要に応じて改善策を実施します。場合によってはユーザーフィードバックを集め、効果検証も行います。
AR制作会社に依頼する際の選定ポイント
これまで、AR制作会社に発注する際の費用や流れについて解説してきました。
しかし実際に発注するとなると、何を基準に会社を検討したら良いのか迷う方もいらっしゃると思います。
結論として選定のポイントは下記の4点となります。
- ポイント①|実績と経験があるか
- ポイント②|テクノロジーと専門知識
- ポイント③|コミュニケーションが円滑か
- ポイント④|コストパフォーマンス
それぞれ詳細に解説していきます。
ポイント①|実績と経験があるか
AR制作は特殊な技術を要するため、同じ業界や類似のプロジェクトでの経験が豊富な会社を選ぶことが重要です。
過去のプロジェクトをチェックして、会社の技術力やクリエイティブ性を評価しましょう。
また、実際に制作したARコンテンツの例を見て、その品質も見ましょう。その際は、期間限定のARも多いことから、過去事例動画を見ることをおすすめします。
過去の実績は、会社のスタイルと能力を理解する上で最も良い方法です。
ポイント②|テクノロジーと専門知識
AR技術は日々変化しています。使用する技術の種類(例えばARKit、ARCore、Unityなど)や、最新トレンドに対する対応力を確認してください。
AR開発には、プログラミング、3Dモデリング、ユーザーインターフェース設計など、多岐にわたる技術が必要です。
チームがこれらの分野において十分な専門知識をもっているか、また部分的に特化しているチームなのかを確認しましょう。
ただし、3Dモデルが出てくる簡単なARを制作したい場合や、制作コストが限られている場合は、ノーコードツールを利用しましょう。高度な技術を必要とせず、短期間で、簡単に、低コストで製作ができます。
ポイント③|コミュニケーションが円滑か
プロジェクトの進行状況を定期的に報告してくれる会社を選びましょう。
そのためにも、コミュニケーション手段や頻度、問題発生時の対応方法などを事前に確認する必要があります。
プロジェクトのタイムラインが明確で、納期を守る文化がある会社を選ぶことが重要です。予期せぬ遅延を避けるため、実際の納期管理についても詳細に確認しましょう。
特にARは企画と体験設計がとても大切になるため、プロジェクトの初期フェーズ時点で、ARの制作会社からの体験の提案などを希望すると良いでしょう。
ポイント④|コストパフォーマンス
費用対効果を評価するために、見積もりが詳細に記載されているか、また隠れたコストがないかを確認することが重要です。
全体の費用だけでなくその内訳を理解し、予算内で最大の成果を得られるか検討しましょう。
コストパフォーマンスが合わない場合は、iOS/Android向けARアプリではなくWebなど、より手軽なARを使うことを検討するのも良いでしょう。
まとめ
この記事では、AR制作をご検討の方向けに、ARコンテンツ制作を外部企業に発注した際に発生する費用について紹介しました。
当メディアでは、延べ250万人以上の方にAR体験を提供している株式会社palanのメソッドを下記をテーマに丁寧に分かりやすくお伝えしています。
- WebARの国内外のニュース
- WebAR事例
- 開発情報
- イベント情報など
ARを使ったマーケティングにて成果を出すためにお役立ていただけますと幸いです。また、ツールやサービスを選定する際には、下記の内容をしっかりと確認しておきましょう。
- 要件に合った機能の有無
- 操作性・誰がツールを運用するか
- サポート内容
株式会社palanでは国内随一の実績を元に、ARの企画から制作実行まで支援しております。
ARに関する課題やそもそもどう進めて良いか分からない方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。