8th Wallとは?利用例から最近の動向まで解説!

WebARの開発においてトップシェアを持ち、重要なポジションにいる8th Wall。
そんな8th Wallの基本情報と最近の動向をまとめてみました。

8th Wallとは?

8th WallはWebAR開発プラットフォームを提供しているアメリカの企業です。
Webブラウザ内で実現する高度な認識エンジンを持ち、WebARにおけるリーディングカンパニーとして多くの実績を持ちます。
2022年3月にNianticに買収されたことでも大きな話題を呼びました。

機能面

8th Wallには様々な機能があります。
マーカートラッキング(マルチマーカー)、フェイストラッキング、平面トラッキング、そして近日実装予定のVPS。

個々の機能は他のライブラリにも搭載されていることが多いですが、最大の特徴は精度の高さにあります。
通常、WebARはアプリに対して精度が劣ることが多いですが、8th Wallはどのトラッキングもアプリに匹敵するような精度の高さを実現しています。

メタバースへの取り込み

8th Wallはメタバース時代への取り組みとして、WebARを作成するだけで、スマートフォン、PC、AR/VRヘッドセットに展開できる機能を追加しました。
同じURLからでもアクセスするデバイスにより、タッチやピンチイン、クリックといったアクションや、UIの表示のされ方などデバイスごとに生じる差異を調整し、どの媒体でも体験が損なわれないように調整することが可能となるとのことです。

料金

利用料金は下記の通りになります。
LightshipSummitで新しく追加された「Starter」プランにより、個人クリエイターでも手の届きやすい低価格帯が登場しました。
こちらのプランでは独自ドメインを使用することができないため、商業利用の場合はPlus以上のプランが必要でしょう。

https://www.8thwall.com/pricing

利用例

8th Wallは様々な企業に利用されています。
公開されたコンテンツを一覧で見ることができるサイトもあります。
数多くの例がありますが、LEGONIKEなどの有名企業からもよく利用されています。最近ではサントリーのキャンペーンでも利用されており話題になりました。

最近の動向

Nianticに買収されて以来、様々な施策を発表しています。
特に5月に行われたLightshipSummitでは、新しいプランの追加をはじめとして様々な発表を行いました。

その中でも大きなものは2点、VPSの実装発表とクリエイターエコノミーの構築です。

AR業界のトレンドともなっているVPSですが、WebARでは実現が難しく、8th Wallへの期待が高まっています。

WebARはURLを介して体験する特性上、アプリストアのような形で一覧表示して探すことができませんでした。8th Wallではパートナー企業が公開したコンテンツの一覧はありますが、記事執筆時点ではそれ以外のコンテンツを見ることができません。
ここを改良し、全てのクリエイターがコンテンツを載せることができるプラットフォームの構築を目指していくとのことです。
同時にユーザー課金による収益化の手段も用意し、コンテンツを還元できるような仕組みづくりの構築を発表しました。

6月に行われたLightshipSummit Tokyoでは、先の発表に加え日本円の対応やVPS実装予定時期の発表なども行われました。

まとめ

8th Wallは高い技術力を持っていますが、さらなる技術力の向上やプラットフォーム構築を通してその地位を盤石なものにしようとしていると感じられます。
また、東京でもLightshipSummitを行ったことや日本円に対応したことから、Nianticと同様に日本市場をかなり重視していることも分かります。

本メディアの運営会社である株式会社palanは8th Wallのオフィシャルパートナー企業でもあります。WebARに関するお困りごとがあればお気軽にお問合せください。