Qualcomm、「Snapdragon Summit 2022」でAR特化のチップセットを発表。Nianticとの連携も。

2022年11月16日、17日と開催された「Snapdragon Summit 2022」で、様々なXR関連のアップデートが発表されていました。

Snapdragonシリーズは、Lenovo、Meta、Picoをはじめとして、60を超えるXRデバイスに搭載されているとのことです。

6月のAWEでは50としていたので、XR業界の盛況ぶりが伺えます。
中でもARグラスが注目で、この一年でユーザーは倍に。今回の発表もARを中心としていました。

Snapdragon AR2 Gen1を発表

新しいチップセットとして、Snapdragon AR2 Gen1を発表しました。
AR/VRを問わないSnapdragon XRシリーズに対し、ARグラスに特化したチップとなります。

https://www.qualcomm.com/company/events/snapdragon-summit

ARプロセッサーと、コアプロセッサーからなり、スマートフォンやPCとWi-Fiで接続を可能としています。
ヘッドトラッキングやハンドトラッキングの処理をするための、コアプロセッサーは1Wで動作します。Wi-Fi7にも対応しているとのことです。

また、パートナーとしてMicrosoftが登場しています。
AR2の提供先としてはLenovo、Pico、Nrealやシャープが名を連ねていました。

Snapdragon SpacesがNianticと提携

AR開発プラットフォームであるSnapdragon Spacesでは、Nianticと提携することを発表しました。

Nianticはスマートフォン向けのAR開発キットとして、Lightship ARDKを提供しています。Lighitship ARDKでは様々な機能がありますが、特に近年はVPSに力を入れていました。

今まではスマートフォンのみで提供されており、ヘッドセットでは使用することはできませんでした。
今回の提携では、2023年にSnapdragon Spacesの開発者向けに公開することを発表。これにより、ARグラスでもVPSが使用できるようになります。

ARデバイスの新しいリファレンスデザインを発表

また、NianticとQualcommはARデバイスの共同開発も行っています。今回は新しいリファレンスデザインを発表しました。
Snapdragon AR2を搭載し、非常にコンパクトなデザインです。伸縮性のあるベルトのようなもので頭部に固定しています。

https://nianticlabs.com/news/snapdragon-spaces

またデモ動画では、コントローラーをもって操作している様子が見られます。

注:動画中に出てくる黒いデバイスは第一世代のもの。

Nianticのプレスリリースはこちら

まとめ

AR特化のチップ「Snapdragon AR2 Gen1」が登場したことにより、ARグラスが一段階アップグレードしていくことが予想されます。現時点で販売されているARグラスは見た目や性能が不十分なものが多く、普及は難しいものが多いですが、今後数年でますます洗練されたデバイスが登場してくでしょう。
さらに、Snapdragon SpacesがNianticと提携したことにより、利用できるシーンが格段に多くなることが考えられます。
この数年でVRデバイスが一気に普及したように、次の数年ではARデバイスが普及し始めるかもしれません。

Snapdragon Spacesに関してはこちらもご覧ください。