Quest Pro 、リストバンド型のコントローラー、最新の3Dスキャン技術など。Meta Connect基調講演で語られたこと総まとめ!

日本時間で2022年10月12日に開催されたMeta Connect。その基調講演では様々なトピックが登場しました。本記事ではその内容をまとめています。

Quest2がもたらしたエコシステム

冒頭では着実に構築が進んでいるエコシステムの紹介がされています。

QuestStoreに掲載されているアプリのうちおよそ3分の1が100万ドルの売り上げを達成しており、33タイトルが1億ドルを超えています。また、昨年に比べ500万ドル超えのアプリ数は倍になりました。

ソーシャル

この一年はソーシャルコミュニケーションが大きく伸びた年でした。VR上のコミュニケーションを行うアプリとして「VRChat」を挙げており、「Youtube VR」も将来的に複数人で動画を見ることができる機能が実装されます。

またMetaが展開している「Horizon Worlds」では、PCやスマートフォンで参加できるようになります。さらに、3Dモデル素材のライブラリであるSketchfabとも連携し、3Dモデルをより多く使えるようになります。

ゲーム

ゲームでは、主要タイトルの売上について言及されています。

例えば、「The Walking Dead」はこれまでに5000万ドル、「Zenith」や「バイオハザード4」はそれぞれリリースから24時間で100万ドルと200万ドルを売り上げています。

そして新作として「マーベルアイアンマン VR」や、「Among Us VR」などの発売日が発表されました。

フィットネス

Quest2はフィットネス用途にも使われています。
公開された動画では膝を使ったアクションがされており、従来の頭と両手だけだった3点トラッキングをさらに拡張させることが示唆されています。

さらに、Quest2のクッションや握り部分をフィットネス向けにする拡張キット「アクションパック」も発売されるほか、消費カロリーなどの運動量が見られるアプリ「Oculus Move」も公開されます。

ビジネス

Quest2では会議アプリとして「Horizon Workrooms」が公開されています。こちらも機能拡張されるようです。

ブレイクアウトルームの作成やメモの作成が可能に。さらに、従来は作業時に一枚しか出せなかったバーチャルモニターが3枚になるなど利便性が向上しています。

新しく登場したハイエンド機「Quest Pro」

Quest Proは前面にカメラが3台付き、レンズも非常に薄くなっています。また、側面にカバーをつけることにより、周囲を完全におおうことができます。
そして、バッテリーが背面にきたことにより重量バランスが改善されました。
もちろんディスプレイも向上しています。Queset2に比べ、密度がppiが37%向上し、色域も1.3倍に広がったため、より鮮明な映像を見ることができます。
アイトラッキング、フェイストラッキングも備えており、表情を相手に伝えることも可能です。

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コントローラー

コントローラーも進化しています。

カメラが内蔵されており、トラッキング性能が向上。Quest2では手を上や後ろに持って行った際にトラッキングが外れてしまうことがありましたが、Proでは改善が期待できます。

さらに、底面にスタイラスペン用のアタッチメントをつけることにより、ペンのように使用することが可能になります。Quest2では「Horizon Workrooms」内でコントローラーをペンのように使用できましたが、さらに発展させた形です。

パススルー

Quest Proではパススルー機能が大幅に向上しています。
フルカラーで画質も向上していますが、ヘッドセットをつけたままパイを食べるシーンや、絵を複写する様子が見られました。

他にも、MR機能を利用して、ビートセイバーを部屋でプレイしたり、SparkAR Studioを使用してARを体験したりする様子が見られます。

マイクロソフト・アクセンチュアとのコラボレーション

マイクロソフトのTeamsが「Horizon Workrooms」と連携する他、Xboxのゲームもヘッドセット内でプレイできるようになります。(ただし、VRゲームとしてではなく、画面は2Dのままのようです。)

アクセンチュアではQuest2を6万台導入し、教育用途に使用するなど非常に力をいれています。マイクロソフトと共に、ビジネス向けのサポートを行っていきます。
さらに、ビジネス向けに「Meta Quest for Bussiness」を発表しています。こちらでも3社で展開していくようです。

アバターの改善

Questではアバターを設定できます。今回の発表によると、zoomとも連携し、設定したアバターを使用することが可能となります。アクセサリーの選択肢が増えたほか、将来的に下半身が描画されることが予告されました。座っている時などは直接カメラに下半身が映らないため、AIによる姿勢推定が行われるそうです。

研究開発段階の技術

AR

ARグラスはVRと異なるアプローチで行っており、2つの手法があります。1つ目は必要な機能を載せ、見た目を最適化させていく方法、2つ目は1つの機能を載せ、そこから徐々に機能を増やしていく方法です。

昨年発表したRay-Ban Storiesではそうしたアプローチの第一弾として発表されています。動画の撮影、投稿が可能でしたが、ツル部分をタップすることでSpotifyの再生できる機能が公開されてました。

また、現在はメタバースの入口となるデバイスを開発中とのことです。こちらは数年かけて行うプロジェクトであり、まだ開発も半ばであることが伺えます。

リストバンド型のコントローラー​​

人が動く時に発生する筋電位を検知することで入力を可能とするリストバンド型のコントローラーも公開されました。

手元の操作だけでボタンの押下や写真撮影などを行うことが可能です。Quest2などで使用されるハンドトラッキングとは異なり、手を上げる必要がないため、より自然なかたちでの入力が可能です。

VPS

MetaもGoogleやApple、NianticなどのARを活用した企業と同じように点群データの取得を進めています。動画では道案内をより詳細に行う技術を公開しています。

カメラのみで高精度な3Dスキャンが可能

スマートフォンで撮影したものを3Dとして表示が可能となります。テディベアなどの難しいものでも綺麗なスキャンをしており、ヘッドセットで確認する様子が見られます。

さらに、30秒ほどの撮影で顔を高精細に3D化する技術が公開されました。表情も自然で、一見して見分けがつかないほどです。
モデルを作成することにより相手によりリアルな表情を伝えることが可能となります。

まとめ

Quest2のエコシステム構築に関しても、発表された技術群に関しても着実に成果が積み上がっているようです。
Quest Proは価格帯や用途から、どちらかといえばtoCではなくtoB向けの製品を目指しているでしょう。マイクロソフトが出しているHololens2や、先日発売されたMagic Leap2と競合すると考えられますが、どれくらい受け入れられるのか注目です。