AR×不動産サービス 活用事例まとめ【AR事例】

本記事では、現在さまざまな活用事例が展開されているARと不動産領域の事例をまとめます。

不動産事業の中でも不動産の売買・賃貸の分野では、360度画像で物件が確認できるVRの内見サービスが既に多くの事業者に導入されており、現地に行かなくても物件を詳細に確認できる便利さから広く利用されています。

しかし、近年はさらに不動産の価値・魅力を顧客に伝えるものとしてARとの組み合わせが提案され、実際にプロダクト/サービスとして提供され始めています。
そんな不動産関連のAR活用事例についてご紹介したいと思います。

不動産の売買・賃貸×AR

AR内見

「AR内見」は間取りを入力することでバーチャルモデルルームを作成でき、家具などの配置シミュレーション&AR表示を行うことができるアプリです。

部屋の内見時に家具を配置したARを表示することで、顧客がより契約後のイメージをしやすく、物件の魅力を伝えることができます。

有料会員になると、作成したモデルルームはクラウド保存&再利用することが可能。
不動産の購入・賃貸契約のみならずリノベーションのシミュレーションとしても活用できるツールです。

詳細: AR内見

WARP HOME

「WARP HOME」は、工務店・住宅メーカー向けに提供されている住宅プレゼンテーションツールです。

工務店・住宅メーカーが持っている商品や施工事例を顧客に伝えるための一機能として、ARでモデルハウスをほぼ実物大に表示できる機能を備えています。

タブレット端末を更地にかざすとモデルハウスが表示され、顧客はタブレット越しにモデルハウスを見学できます。
複数のモデルハウスをその場で切り替えて表示できるそうで、その柔軟さは実際のモデルルームでは難しいARならではのメリットと言えるのではないでしょうか。

画像引用: プレスリリース

WARP HOMEはまた、高精細の3DCGで作成したVRでモデルハウスを内覧できるシステムも提供しており、AR/VR両面で不動産への活用を行っています。

詳細: WARP HOME

施設の運用管理×AR

Vera

イスラエルの企業Resonaiが提供する「Vera」施設の運用管理ツールです。

施設・ビルの管理事業者は、建物の3DモデルをVeraにインポートすることで、実際の建物にARのナビゲーションを表示したり、業務研修に活かすことができます。

また、システムは6DoF(※)の位置トラッキングシステムを備えており、専用のマーカーや端末を用意することなく利用できるとのこと。

※「6DoF」について詳しくはこちらをご覧ください

スクリーンショット

またVeraは開発者向けにSDK(ソフトウェア開発キット)も提供しており、Veraの機能を最大限に活かしつつ柔軟に新しいツールの開発をすることもできます。

詳細: Vera

都市開発×AR

Holostruction

Holostruction(ホロストラクション)は、小柳建設と日本マイクロソフトが共同開発した建築設計をサポートするツールです。

MRゴーグル「HoloLens」とAndroid端末で動作するツールで、建造物の3Dモデルを目の前に表示させながら3Dモデルの移動、回転、拡大縮小、また等身大で建物の内部に入るなどの操作ができ、また作業をその場にいるメンバーはもちろん、遠隔地にいるメンバーとも共有することができます

このツールにより、2Dの図面や資料よりも具体的に建造物の情報を確認することができ、またメンバー同士の理解度を揃えることにも貢献します。

詳細: Holostruction
参考: 小柳建設インタビュー

おまけ – 都市開発に活かされるデジタルツイン

「デジタルツイン」または「ミラーワールド」という語をご存知でしょうか。

デジタルツインとは現実世界の土地や建物を3Dデータ化したもの(デジタルコピーしたもの)を指す用語で、そのデジタルツインで作成した、現実と対になるデジタル世界のことをミラーワールドと呼びます。

このデジタルツイン/ミラーワールドは、将来的に都市開発や都市活動のシミュレーションなどへの活用が期待されており、日本では国土交通省が主導して「Project PLATEAU」という構想を立ち上げ、日本各地の3Dモデルデータの取得・公開を進めています。

近い将来、不動産事業のなかでも特に都市開発の分野で、デジタルツインを用いたXR(AR/VR)ソリューションの展開が予想されます。今からチェックしてみてはいかがでしょうか。

▼デジタルツイン、ミラーワールドについて詳しくはこちらでご紹介しています。

まとめ

本記事では「AR×不動産」をテーマに、活用事例などをまとめました。

不動産という分野には「実現に時間のかかる」「現地に行かないと体験できない」といった制約がありますが、活用事例から、ARと組み合わせることでそれらを部分的にでも乗り越えられることがわかります

ぜひARを活用する際の参考にしてみてください。