マーカー型WebARとは?解説と事例紹介

AR技術では“認識”をすることによって、3Dオブジェクトを出現させる位置を特定したり、オブジェクトを出現させるトリガー(引き金)とすることができます。

また、この認識にはいくつかの方法が存在します。

・写真や画像といった画像認識を行う“マーカー型”
・現実世界の特徴を認識する“空間認識型”
・また3次元の立体物を認識する“物体認識型”
・GPSで取得した位置情報と連携した“GPS型”

今回はその中でも、マーカー型のAR/WebARについてご紹介します。

AR.jsでは最近登場したばかりの、NFT(Natural Feature Tracking)についても触れていますので、最新の動向も一緒にチェックしましょう!

1.マーカー型とは?

マーカー型のAR技術は“写真や画像(マーカー)の特徴を捉える”ことで認識を行います。

こちらのサンプルでは、壁に掲示されたポスターを認識することで動画を再生しています。

https://twitter.com/palanar_webar/status/1206797105378938881?s=20&t=x_q7Q2pd-mpUcl0h48heiA

ここで使用しているポスターなど、ARコンテンツにおいて、現実の中で起点とする図像のことを「ARマーカー」と呼びます。

マーカー型のARでは、ARマーカーを起点として、「マーカーの真上に動画を表示する」「マーカーから10cm左に3Dモデルを表示する」など相対的にオブジェクトを配置します。

上記のようなポスターはもちろん、名刺やイベントの看板などにマーカーを印刷することで、あらゆるものをARコンテンツ化することができるため、汎用性が高く、企業のプロモーションなどにも幅広く活用されています

2.マーカー型の種類

画像を認識するマーカー型ですが、実はマーカー型にも2つの種類が存在します。

正方形マーカー

こちらの黒い縁で覆われた正方形マーカーは、AR.jsの規格に沿ったマーカーで、単純な特徴の為、認識の速さや安定性に優れています

先ほどご紹介したWebAR名刺のコンテンツでも、正方形マーカーが活用されています。

左のQRコードを読み取ることでコンテンツが起動しますので、PCで閲覧している方はスマートフォンを使って体験してみてください。

また、こちらのマーカーは“AR.js Marker Training”と呼ばれるサイトで、オリジナルのものを制作することも可能です。

NFT(Natural Feature Tracking)

もうひとつの種類として、NFT(Natural Feature Tracking)と呼ばれる、自然特徴を認識する方法があります。

こちらは最近リリースされた“AR.js 3.0”により、WebARでも利用可能となりました。

“自然特徴”というと少し難しいですが、先ほど紹介したような正方形の決められた規格ではなく、写真やポスターといった自由な画像の特徴を認識できる方式です。
こちらのQRコードを読み取ることで体験可能です。

画像引用:https://github.com/AR-js-org/AR.js

NFTについての詳しい解説はこちら↓

https://webar-lab.palanar.com/developer/%e3%80%90ar-js-v3-0%e3%80%91image-tracking%ef%bc%88nft%ef%bc%89%e3%81%ae%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%97%e3%83%ab%e3%82%92%e8%a9%a6%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%81%9f/

3.活用事例

イベント

こちらの日向坂46さんのイベントでは、メンバーそれぞれのパネルに異なるデザインのマーカーが印刷されています。

マーカーを認識することで、メンバー毎のメッセージをARで視聴することが可能です。

WebARはコンテンツ体験までのプロセスが短いため、イベント会場などでの活用はとても相性が良いと考えられます。

https://www.youtube.com/watch?v=Cce4jlglFiw

ポスター

こちらはアニメ“ソードアートオンライン”ARポスターです。

マーカーを読み込むことで、放送しているストーリに連動して毎週変化するイラストを楽しむことができ、イラストを保存することも可能です。

このARマーカーは、QRコードとARマーカーが一体化しているため、コンテンツへのアクセスから体験までを1つの画像のみで可能にしています

“マーカー型とは?”でご紹介したWebAR名刺も、このような一体化した画像を名刺に印刷しています。

https://twitter.com/sao_anime/status/1187927642206400512?s=20

ゲーム

こちらは “Web Monster” と呼ばれるWebARカードゲームです。

モンスターカードから自分のモンスターを登録し、ライバルのカードをARマーカーで認識させることでバトルが開始されます。

動画を見ていただくと、それぞれのモンスターカードに正方形のARマーカーが印刷されていることが分かります。

WebARではプロモーションのようなコンテンツだけでなく、このようなマーカーを活かしたゲームコンテンツも制作可能です。
NFTに対応したことで、カードの見た目も更に自由で楽しいものになるかもしれませんね!

https://www.youtube.com/watch?v=Po79DeaRJ-4&feature=emb_title

4.マーカーを用いたコンテンツを体験してみよう!

今回は、WebARのマーカーについて、またマーカーを活用した事例についてご紹介しました。

そこで、このようなマーカーを活用したコンテンツを簡単に制作できるツールをご紹介します。

こちらの“palanAR(パラナル)”では、複雑なコーディング等をせずに、直感的にWebARコンテンツを制作できるサービスです。

基本無料でご利用いただけます。

個人での利用はもちろん、企業様向けにリッチなコンテンツを制作するプランもございますので、お気軽にご相談ください!