スマートフォンやタブレットをかざすだけで、目の前の世界がガラリと変わるAR(拡張現実)。ゲームやエンターテインメントのイメージが強いARですが、近年では企業広報や教育現場、地域活性化など、幅広い分野でその可能性が注目されています。
ARを活用した広報は、従来の一方的な情報発信とは異なり、ユーザーを巻き込むインタラクティブな体験を提供できるのが特徴です。自社製品の魅力をより深く伝えたり、観光地や博物館での学びを深めたり、さらには地域全体の活性化にも貢献できるなど、その活用方法は多岐にわたります。
本記事では、ARを活用した広報の最新事例や、そのメリット・デメリット、そしてARを効果的に活用するためのポイントを詳しく解説します。
ARを活用した広報とは?
ARとは、拡張現実(Augmented Reality)を意味する言葉で、スマートフォンやタブレットのカメラを通して、現実世界にデジタル情報を重ねて表示する技術です。この技術は、ゲームやエンターテイメント分野で広く活用されていますが、近年では企業広報にも積極的に導入されています。
ARを活用した企業広報は、従来のパンフレットやウェブサイトでの情報発信とは異なり、よりインタラクティブで没入感のある体験を提供できます。例えば、自社製品の3DモデルをARで表示したり、工場見学をバーチャル体験できるコンテンツを作成したりすることで、顧客やステークホルダーに対して、より深く自社の魅力を伝えることができます。
広報にARを取り入れる3つのメリット
続いてARを活用して広報をするメリットについて解説していきます。主なメリットとして下記の3点が挙げられます。
▼広報にARを取り入れる3つのメリット
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メリット①|新しい体験や情報を提供できる
ARは、没入感のある体験を提供できるため、従来の広報手段よりも記憶に残りやすいという特徴があります。また、多くの人がスマートフォンを所有しているため、特別な機器を必要とせず、手軽にAR体験を提供できます。
さらに、ARを活用することで、商品やサービスの特徴を視覚的にわかりやすく伝えることが可能です。例えば、製品の3Dモデルを表示したり、使用方法をARで解説したりすることで、顧客の理解度を高め、購買意欲を促進することができます。
メリット②|拡散を期待できる
ARは、新しい体験や驚きのある演出を提供できるため、SNSでのシェアを促しやすいというメリットがあります。
特に、ユーザーが能動的に関与できるARコンテンツは、拡散の可能性が高まります。例えば、ARを使ったゲームやクイズ、フォトフレームなどを提供することで、ユーザーの参加意欲を高め、SNSでの共有を促すことができます。
また、ARを活用したキャンペーンは、メディアに取り上げられる可能性も高いため、ブランドの認知度や好感度の向上に繋がることが期待できます。
メリット③|データを集められる
ARコンテンツを通じて、ユーザーの行動や嗜好に関するデータを収集することができます。例えば、どのコンテンツにどれだけの時間滞在したか、どの部分をよく見ているか、といった情報を分析することで、ユーザーのニーズや関心をより深く理解することができます。
収集したデータは、今後の広報戦略の最適化や、パーソナライズされたコンテンツ提供に活用できます。これにより、より効果的な広報活動が可能となり、顧客満足度の向上にも繋がります。
広報にARを取り入れる2つのデメリット
▼広報にARを取り入れる2つのデメリット
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デメリット①|開発コストと時間がかかる
高品質なARコンテンツの制作には、専門的な知識とスキルが必要です。そのため、企画、設計、開発には一定の費用と時間がかかることを念頭に置く必要があります。
特に、社内にAR開発の人材やノウハウがない場合は、外部の専門業者に委託する必要があり、さらにコストがかかる可能性があります。
>>ARコンテンツ制作の費用は? | 見落としがちな依頼時のポイント4つをプロが解説!【2024年最新】
デメリット②|周囲の環境の影響を受けやすい
ARは周囲の環境に影響を受けやすいという特性があります。屋外での利用では日光の影響を受けやすく、暗所や夜間では照明が必要になる場合があります。
また、電波状況が悪い場所では正常に動作しない可能性があり、人混みや交通量の多い場所では思わぬ事故に繋がる危険性もあります。対策としては、利用環境を考慮したコンテンツ設計や安全対策の徹底、電波状況の良い場所での利用推奨などが挙げられます。
ARを使った広報の5つの事例
事例①|創業300年超の老舗酒蔵でWebARコンテンツ

創業300年を超える老舗酒蔵である飯沼本家(Iinuma Honke)は、WebARコンテンツを活用して、インバウンド観光客の誘致を促進しています。QRコードをスキャンすることで、飯沼本家の世界をARで体験できます。「Mini Kurabito AR」は、酒造りの工程をガイドしてくれます。「BIG Sake Bottle AR」は、大きな酒瓶と一緒に写真を撮ることができます。
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事例②|うえのパンダフェスタでARコンテンツ

上野動物園で開催された「うえのパンダフェスタ」では、ARコンテンツを活用して、来場者の満足度向上を図りました。
手のりパンダを投影するコンテンツや、看板にARカメラをかざすと、看板のパンダが飛び出てくるコンテンツを用意しました。
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事例③|同志社大学のARキャンパスツアー

同志社大学は、ARコンテンツを活用して、キャンパスツアーをより充実したものにしています。キャンパス内の各施設をARで表示し、その歴史や特徴を説明します。また、学生生活をARで体験できるコンテンツもあります。
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地図を片手にバーチャルキャンパスツアー!?~AR機能付き「同志社大学キャンパスマップ」を発行!~
事例④|世界淡水魚園水族館アクア・トト ぎふの館内スタンプラリー

世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふは、来館者向け限定コンテンツとして、WebARのスタンプラリーを導入しました。
アプリのダウンロードが必要ないため、手軽にスタンプラリーを楽しめるのが特徴です。世界淡水魚園水族館「アクア・トトぎふ」で、生き物の知識を深めながら楽しく館内をめぐり、素敵なプレゼントをゲットすることができる企画となっています。
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事例⑤|『ゴジラ-1.0』アカデミー賞受賞記念ポスターAR

映画『ゴジラ-1.0』のアカデミー賞受賞を記念して、ARポスターが制作されました。ポスターにARマーカーを貼り付け、ARでゴジラを出現させることができます。ゴジラと一緒に写真を撮ることができます。
▼関連リンク
『ゴジラ-1.0』アカデミー賞受賞記念ポスターAR | News | 映画『ゴジラ-1.0』公式サイト
まとめ
AR(拡張現実)は、スマホやタブレットのカメラを通して現実世界にデジタル情報を重ねて表示する技術で、企業広報では、インタラクティブで没入感のある体験を提供できます。例えば、自社製品の3Dモデル表示やバーチャル工場見学などが可能です。
教育分野でも、観光地でのARガイドや博物館での展示物解説など、楽しく学べる機会を創出し、コミュニケーションを促進し地域活性化に貢献します。
企業広報におけるARのメリットは、記憶に残る体験や情報の提供、SNSでの拡散、ユーザーデータ収集などが挙げられます。ただし、開発コストや環境の影響を受けやすいといったデメリットも考慮が必要です。
ARマーケティングの成功事例を参考にする際は、「目的」「技術」「活用方法」を把握することが重要です。似た事例を安易に真似るのではなく、自社の状況に合わせてAR技術を活用し、施策の実行と改善に役立てましょう。
palanについて
本メディアを運営するpalanでは、広報施策へのAR開発も行っております。
全国曹洞宗青年会の広報誌『SOUSEI』のAR表紙

ノーコードで簡単にWebARが作成できるサービス「palanAR(パラナル)」が、全国曹洞宗青年会(以下:全曹青)の広報誌『SOUSEI』のAR表紙に採用されました。
令和5年2月に発行された第200号の記念として、ARをご活用いただきました。 表紙にスマートフォンをかざすと、過去の表紙が表示され、動画などで歴史を振り返ることのできる施策です。
ノーコードAR作成ツール「palanAR」

「palanAR」は誰でも簡単にARが作成できるオンラインツールです。
インストールなどは不要で、ブラウザで簡単にARを作成できます。
palanARサイト:https://palanar.com/
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