近年、イベントやキャンペーンで「ARフォトフレーム」への注目が高まっています。ARフォトフレームはSNSとの親和性が高く、集客・ブランディング・販促など幅広いシーンで活用が進んでいます。
また、従来は静止画のフォトフレームが一般的でしたが、カスタマイズ可能なフォトフレーム、動きのあるフォトフレームなど、新たな活用事例も出てきています。
本記事では、ARフォトフレームの最新の活用事例、導入のメリット、作成方法などについて詳しく解説します。
ARフォトフレームとは?

https://studio.palanar.com/works/work-the-bears-school-20th
ARフォトフレームとは、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを介して、現実の風景にデジタルで生成されたフォトフレームを重ねて表示するARコンテンツの一種です。ただの画像フレームだけでなく、キャラクターやアニメーション、テキストなどを追加することも可能です。
ARフォトフレームの導入メリット
ARフォトフレームは単なる写真撮影ツールではなく、来場者や顧客とブランドの接点を深めるコミュニケーションの場を作り出すことができます。
4-1. SNS拡散による認知度の向上
ARフォトフレームで撮影した写真や動画は、見た目のインパクトや「その場でしか撮れない」特別感があり、自然とInstagramやX(旧Twitter)などのSNSに投稿されやすくなります。
単なる広告画像とは異なり、利用者自身が写り込むコンテンツは「体験の証拠」として共感を生みやすく、ハッシュタグや位置情報と組み合わせれば、二次的な拡散も期待できます。これにより、直接来場できなかった人にもイベントやブランドの存在を認知してもらえる可能性が広がります。
4-2. 集客や会場内の回遊促進
ARフォトフレームは、GPSなどで制限をかけることにより、特定の場所でのみ体験できる限定性を持たせることが可能です。
「ここでしか撮れない」フォトフレームがあると、そのポイントを目的に来場してくれる人が増え、会場全体の回遊性が高まります。特に商業施設や観光地では、スタンプラリー形式で複数の撮影スポットを巡ってもらうような導線設計を行えば、滞在時間の延長や消費行動の促進にもつなげられます。
4-3. ブランドや商品の世界観を体験として伝えられる

従来の広告では、ブランドや商品の特徴を「見る」だけの接触に留まりがちでしたが、ARフォトフレームでは「体験」として届けることができます。
ブランドカラーやロゴ、キャラクター、商品のイメージをフレームに組み込むことで、利用者は撮影を通じて自然にブランド世界観に触れます。視覚的な印象と体験の記憶が重なることで、記憶に残りやすく、好意的な感情を持ってもらえるきっかけとなります。
4-4. データ計測による施策改善

WebAR形式のフォトフレームであれば、利用回数や滞在時間、アクセスした場所や端末の種類といったデータを取得できます。
これらの情報をもとに、どのフレーム・スポットが人気だったのか、どの時間帯に利用が集中したのかといった分析が可能になり、次回以降のイベントやキャンペーンの改善に役立ちます。また、SNS連動型であれば、投稿数やハッシュタグの利用回数といった定性的な効果も合わせて把握できます。
シーン別活用事例
ARフォトフレームは、その柔軟性と高い訴求力から、様々な分野で活用されています。ここでは、具体的な活用シーンをご紹介します。
入学式・卒業式・オープンキャンパス

小学校〜大学・専門学校の入学式・卒業式・オープンキャンパスなどのイベントを記念して、学校のロゴやキャラクター、その年のテーマに合わせたARフォトフレームを重ねることで、一生に一度の記念写真を彩ることができます。
看板を複数設置するコスト、管理・撤去するコストも削減できます。
季節イベント

母の日・父の日・こどもの日、クリスマス、ハロウィンなどの季節イベントは、ARフォトフレームの活用に適しています。ARフォトフレームは、ユーザーのイベント体験を豊かにし、感動や思い出を創出するための手段となるためです。
ARフォトフレームは、イベントのテーマに合わせてカスタマイズできるため、ユーザーはイベントの世界観に没入しやすくなります。例えば、ハロウィンならカボチャやおばけのアニメーション、クリスマスなら雪やトナカイのARエフェクトを追加することで、ユーザーはイベントの雰囲気をより一層楽しむことができます。
また母の日・父の日やこどもの日、敬老の日といったイベントは、「一緒に撮影しよう」と声がけすることで、ARフォトフレームがコミュニケーションのきっかけにもなります。
自治体の転入・婚姻・出生記念

近年、地方自治体は子育て世代への支援を強化し、地域の魅力を高めるためのユニークな取り組みを始めています。ARフォトフレームもその一つとして注目されており、新しい命の誕生を祝福し、地域とのつながりを深めるツールとして活用されています。
転入・婚姻・出生の手続きで市役所を訪れた際などに写真撮影を行うことで、撮影したデータを保存して、家族や友人と共有することができます。
観光・地域イベント

観光案内所、ランドマークや絶景ポイントにARフォトフレームを設置することで、訪問者はその場所の歴史的なキャラクターやマスコットと一緒に写真を撮ることができます。例えば、古い城跡にその時代の武将のARキャラクターを表示させたり、地域のマスコットキャラクターを登場させたりする、といったユニークな企画が可能です。
スポーツチームの試合

https://www.yakult-swallows.co.jp/crew10th/2st.html
スポーツ観戦は、単に試合を見るだけでなく、会場の熱気を肌で感じ、チームやファン仲間と一体感を味わうことができます。ARフォトフレームは、観戦体験をさらに特別なものにするツールとして、プロスポーツチームの間で活用が広がっています。
例えば試合会場で、選手と一緒に写っているかのようなARフォトフレームを提供することで、ファンは憧れの選手と“記念撮影”ができます。
またチームのロゴやマスコットキャラクターがデザインされたARフォトフレームは、ファン同士の連帯感を高めます。応援グッズを持って撮影することで、より一層応援に熱が入ります。
ファンがARフォトフレームで撮影した写真をSNSに投稿すると、その写真を通じてチームの存在や試合の盛り上がりが広く知れ渡ります。これは、新たなファン層を獲得するだけでなく、チームのブランド価値向上にも繋がります。
マラソン大会などのイベント

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000190.000028239.html
参加者にとって、ARフォトフレームは特別な思い出づくりに役立ちます。撮影した写真に完走タイムやゼッケン番号、日付などの記念情報をデジタルで追加できるため、単なる写真ではなく、努力の証を形に残せます。
また、大会のロゴや風景と一緒に写真を撮ることで、その日の感動や達成感をよりリアルに振り返ることができます。SNSでのシェアも簡単になり、友人や家族に大会について知ってもらう機会を増やすことができます。
主催者側にとっては、イベントのブランディングと参加者の満足度向上につながります。参加者がARフォトフレームを使って写真を撮り、SNSでシェアすることで、大会の認知度やブランドイメージが自然に拡散されます。特別な体験は参加者の満足度を高め、次回の参加意欲を促すだけでなく、イベントのロイヤリティを向上させる効果も期待できます。
アニメ、ゲームイベント

https://studio.palanar.com/works/work-precure-shibuya
アニメ、ゲームなどのイベントの来場特典としてARフォトフレームを展開することで、参加者は、キャラクターと一緒にいるような臨場感あふれる写真を撮ることで、イベントの感動や楽しかった瞬間を鮮明に思い出せるようになります。
参加者がARフォトフレームを使って撮影した写真や動画をSNSでシェアすることで、イベントの盛り上がりをリアルタイムで拡散できます。これにより、会場に来られなかった人たちにもイベントの様子が伝わり、新たな興味を喚起します。
また、人気キャラクターの等身大パネルやフォトスポットは、行列ができやすく、多くの人が集まるため混雑しがちです。ARフォトフレームなら、参加者は自分のスマートフォンを使って好きな場所で好きなタイミングで撮影できます。これにより、特定の場所に人が集中するのを防ぎ、イベント全体の混雑を緩和。待つストレスなくスムーズに撮影を楽しめるため、参加者の体験価値を向上させます。
アニメ、漫画のプロモーション

ARフォトフレームを使うことで、ファンは好きなキャラクターや作中のアイテム、セリフと一緒に写真を撮り、作品の世界観に「参加」できます。
ファンがARフォトフレームで撮影した写真をSNSに投稿することで、作品の魅力が自然に拡散されます。ユーザーの投稿は信頼性が高く、広告色も薄いため、友人のタイムラインに作品が溶け込み、新たなファンの獲得につながります。特別なハッシュタグを設けることで、イベントの盛り上がりを可視化することも可能です。
映画のプロモーション

ARフォトフレームを使って撮影した写真をSNSで共有することで、友人やフォロワーに作品が自然に拡散されます。ユーザーが自発的に行うプロモーションは、広告よりも信頼性が高く、関心を引きつけます。
劇場限定のARコンテンツや、映画公開期間中しか利用できないフォトフレームを提供することで、来場を促すこともできます。
また劇場に設置したパネルやポスター、チラシと連動した企画なども展開可能です。
お菓子、飲料などの商品プロモーション

商品パッケージや購入特典として、特定のARフォトフレームを提供することで、限定感を演出できます。例えば、期間限定のフレーバーに合わせたARフレームや、購入者だけが利用できる特別なARコンテンツを提供することが可能です。
また特に、人気IP(キャラクター、アニメなど)とコラボレーションすることで、購買促進効果が飛躍的に高まります。
商品パッケージをスマートフォンで読み取ると、人気キャラクターがARで出現し、一緒に記念撮影ができるといった企画は、ユーザー「この商品でしか体験できない特別な価値」を提供します。ユーザーは単に商品を買うだけでなく、「AR体験を買う」という新しい動機が生まれます。
飲食店のキャンペーン

ARフォトフレームを季節や期間限定のメニューと連動させることで、特別な体験を提供できます。例えば、桜の季節には桜吹雪が舞うフォトフレーム、クリスマスにはサンタクロースやトナカイが登場するフォトフレームを用意することで、料理の見た目の美しさだけでなく、その背景にある物語や季節感をより豊かに表現できます。食事を単なる消費ではなく、季節を感じるイベントとして楽しめるようになります。
また、料理の魅力をさらに引き立てるのにも効果的なツールです。料理とエフェクトが表示されるフォトフレームは、「美味しい」「見た目も綺麗」という感動を視覚的に表現する手助けをします。
博物館、美術館の来場記念

ARフォトフレームは、来館の記念となる特別な写真や動画を残すことができます。
来館者は、展示物のモチーフが使われたARフォトフレームなどを通じて、展示物の時代や世界観に没入することができます。展示されている美術品や歴史的資料を傷つけることなく、ユニークな形で一緒に写真を撮ることで、来館者はその日の感動や学びをSNSなどで共有しやすくなります。
ショッピングモール・商業施設

クリスマスやバレンタイン、ハロウィンなど季節のイベントに合わせてARフォトフレームを導入することで、施設全体に一体感のある特別な雰囲気を創り出せます。施設内にARのサンタクロースやカボチャが出現するような演出は、お客様にとって魅力的なフォトスポットとなります。
また飲食店やイベントスペースなど、混雑しやすい場所でARフォトフレームを提供することで、お客様が待ち時間に退屈することなく、楽しい時間を過ごせます。顧客体験の向上に繋がり、お客様の満足度を高める効果があります。
最新活用事例
従来のARフォトフレームは静止画のフレームが一般的でしたが、近年では進化したフォトフレームも展開されています。
カスタマイズ可能なフォトフレーム

https://palanar.com/examples/744
スタンプやフレームを選択し、自分好みにカスタマイズできるフォトフレームです。スタンプの位置やテキストにより、他のユーザーとは違ったオリジナリティ溢れる写真を撮影することができます。
動きのあるフォトフレーム
https://palan.co.jp/news/mizunohi_contest2025
3Dの動くキャラクターや動物と写真撮影ができるフォトフレームです。静止画に比べ、多彩なポーズや表情を撮影できます。
また、3Dのため、平面の動画に比べ、横や後ろなど360度回っても別角度から撮影することができます。操作ボタンでズームや移動する機能を実装することも可能です。
現実でキャラクターや動物を撮影するのと同じようなワクワクする撮影体験ができます。
キャラクターと撮影できるフォトフレーム

https://palanar.com/examples/763
キャラクターやアバターが目の前に現れたようなフォトフレームです。
イベントの参加者向けに、キャラクターと一緒に記念撮影ができるコンテンツや、キャラクターが部屋に現れたり、手のひらの上に乗せたりした写真を撮影することができるコンテンツを展開できます。
背景透過動画を使用することで、3D化の必要なく、キャラクターがそこにいるかのようなフォトフレームを作成できます。
アーティストやアイドルと撮影できるフォトフレーム

https://palanar.com/examples/765
実在のアイドルやアーティストが、目の前に現れるような体験ができるフォトフレームです。
スマートフォンで撮影した動画から背景透過を行うことで、ボリュメトリックビデオなどの撮影なしに立体感のあるリアルなARを簡単に実現できます。
アイドルやアーティストと一緒に写真を撮れるファン向けAR特典や、CD・グッズ購入者向けのシリアルコード限定AR体験などに活用できます。
ARフォトフレームの作成方法
ARフォトフレームの作成には、主に以下の3つの方法があります。
- コードを書いて0から開発する
- AR作成ツールを利用する
- ARフォトフレーム制作会社へ依頼する
① コードを書いて0から開発する
プログラミング言語を用いてゼロから開発・制作する方法です。
メリット:
- 高いカスタマイズ性: 独自のアイデアや複雑な機能を自由に実装できます。既存のツールでは実現できない、ユニークな撮影体験を創出できます。
- 高度な連携: 企業独自のシステムやデータベースと連携させたり、ユーザーデータを活用したパーソナライズ機能を組み込んだりすることが可能です。
デメリット:
- 高コスト・高難易度: 専門的な知識と技術が必要なため、開発コストと時間がかかります。
② AR作成ツールを利用する
ARコンテンツを制作できるツールを利用する方法です。
- メリット:
- 手軽さ: ツールに用意されたテンプレートや素材を活用することで、誰でも短時間でARフォトフレームを作成できます。
- 低コスト: 専門家に依頼するよりも費用を抑えられます。月額料金や利用回数に応じた従量課金制のツールが多くなっています。
- デメリット:
- 機能の制約: ツールが提供する機能やデザインの範囲内でしか制作できないため、複雑な表現や特別な機能の実装は難しい場合があります。
- サービス終了のリスク: ツール提供会社の状況により、サービスが終了する可能性があります。その場合、制作したコンテンツが利用できなくなる、または別のツールに移行する手間が発生することがリスクとして挙げられます。
③ ARフォトフレーム制作会社へ依頼する
ARコンテンツの制作を専門に行う会社に、企画から開発、運用までを一括で依頼する方法です。
メリット:
- 高品質なコンテンツ: プロが目的に合わせた質の高いARフォトフレームを制作してくれます。最新の技術動向やトレンドを踏まえた提案も期待できます。
- 手間が少ない: 制作から公開、運用まで全て任せられる場合は、自社で専門的な知識がなくても、安心してARコンテンツを導入できます。
デメリット:
- コスト: ゼロからの開発と同様に、ツールを利用する場合と比較してコストが高くなる傾向があります。
おすすめのARフォトフレーム作成ツール
ARフォトフレームを簡単に作成したい場合、専用のツールを利用するのが最も手軽で効率的です。ここでは、特にフォトフレーム作成に適したツールをご紹介します。
palanAR

ノーコードでARがWebARが作成できるツールです。プログラミング不要で、ブラウザ上で直感的にARコンテンツを作成・公開できます。画像や動画をアップロードするだけで、フォトフレームを簡単に作ることができます。
シンプルなフォトフレームはもちろん、モーダル(ARの体験ページで一番はじめにユーザーへ表示させるポップアップ画面)や撮影ボタンも簡単に編集することができ、オリジナリティ溢れるフォトフレームを作成することができます。
LESSAR

専門知識がなくても、PCのブラウザ上で簡単にARコンテンツを制作できるツールです。シンプルな操作画面で、知識がなくとも簡単にARフォトフレームを作成することができます。多くの企業での導入実績があり、企画段階からサポートを受けられる体制も整っています。
まとめ
ARフォトフレームは進化を続けており、従来の静止画だけでなく、スタンプやフレームをカスタマイズできるもの、3Dのキャラクターや動物が動き回るもの、さらには実在のアーティストやアイドルと撮影できるような、よりリッチな体験を提供するフォトフレームも登場しています。
ぜひ、イベントやキャンペーンにARフォトフレームを取り入れて、参加者の記憶に残る特別な体験を提供してみてください。
palanについて
本メディアを運営するpalanでは、ノーコードAR作成ツールpalanARの提供、ARフォトフレームの企画・制作を承っています。
『18TRIP』横浜開港祭 デジタルフォトスポット企画

2025年5月31日(土)〜6月2日(月)の3日間で開催された『第44回横浜開港祭』内、近未来おもてなしアドベンチャーゲーム『18TRIP(エイティーントリップ)』のデジタルフォトスポット企画にpalanARを提供いたしました。
『横浜開港祭』臨港パーク全域にて、スマートフォンのGPS機能をONにし、イベントページに公開されたQRコードを読み取ると、作品のメインキャラクター20名の新規録り下ろしボイス付きLive2Dフォトフレームが表示されます。
ボイスつき動画により、キャラクターに話しかけられながら一緒に写真撮影するような体験ができ、多くの来場者の方々にお楽しみいただけました。
「クレヨンしんちゃん家族都市」フォトフレーム

https://studio.palanar.com/works/work-family-city
「クレヨンしんちゃん家族都市」QRサブレ内のARフォトフレームの制作を行いました。
秋田県・埼玉県・熊本県の三県からなる「家族都市」とコラボしたQRサブレが発売され、サブレにプリントされたQRコードを読み込むと体験可能なクレヨンしんちゃんと各三県がコラボしたARフォトフレームを楽しめるほかに、マンガ動画や各県のご紹介ムービーが体験できる企画です。
その他フォトフレーム実績はこちら:https://palanar.com/cases?q%5Bcase_tags_id_eq%5D=1
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palanではARフォトフレームの企画からデザイン、実装から効果検証・分析までワンストップで承っています。
ARフォトフレーム制作についてはお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ:https://studio.palanar.com/contact
ARフォトフレーム サービス説明資料:https://studio.palanar.com/document/ar_photoframe/