「Adobe Aero」が提供終了、影響・対応策は?

Adobeは2025年8月7日、AR(拡張現実)作成ツール「Adobe Aero」の提供を2025年11月をもって終了すると発表しました。

本記事では、終了によって何ができなくなるのかなど、影響や対応策について解説します。

■参考記事
提供終了に関する公式FAQ:https://helpx.adobe.com/jp/aero/aero-end-of-support-faq.html

「Adobe Aero」とは?

Adobe Aeroは、2019年に正式リリースされた、Adobeが提供するARコンテンツ作成ツールです。直感的な操作によってARコンテンツを制作できます。

Adobe Creative Cloudの他のアプリケーション(PhotoshopやIllustratorなど)と連携し、既存の2Dや3Dのアセットを簡単に読み込んで利用できる点が強みとなっています。

「Adobe Aero」について、特徴やできることなど詳細はこちらの記事をご覧ください。

Adobe Aeroとは|ARアプリ開発でできることと使い方について解説。

「Adobe Aero」終了の背景

Adobeは提供終了の背景について、以下のように述べています。

Aero は、最終的に複合現実メガネで使用されることを目標に開発されました。 2020 年以降、AR業界の状況は変化しました。アドビは複合現実の探求を続けていますが、チームは代替の開発分野にリソースを集中させることを選択しています。

提供終了に関する公式FAQより:https://helpx.adobe.com/jp/aero/aero-end-of-support-faq.html

Adobe Aeroは、ARグラスやMRデバイスといったハードウェアの普及を前提に開発が進められていました。

2025年現在、ARグラスやMRグラスは技術的な課題や価格面から、まだ広く普及するまでには至っていません。多くの企業が開発を行い、続々と新デバイスの発表・発売がなされているものの、一般消費者に広く普及するには少し時間がかかると思われます。

Adobeはこうした市場環境を鑑みてか、Aeroの開発に投入していたリソースを、より優先度の高い別の分野に振り分けることを決定したようです。

「Adobe Aero」終了の影響

「Adobe Aero」終了によって、影響を受ける範囲、日程は以下のようになります。

2025 年 11 月 6 日 Adobe Aeroの提供終了

  • Creative Cloud、Apple App Store、Google Play ストアから削除され、ダウンロードもインストールもできなくなる
  • 既にデバイスにインストールしている場合、Aeroは引き続き通常どおり動作。
  • モバイルまたはデスクトップからファイルをダウンロードすることは可能

2025 年 12 月 3 日 Adobe Aero の廃止

  • アドビのサーバーからファイルにアクセスできなくなる
  • テクニカルおよびカスタマーサポートは利用できなくなる。
  • Aeroシーン(.real ファイル)は、エクスペリエンスの作成者と閲覧者の両方に対して動作しなくなる。

2025 年 12 月 16 日 ユーザーデータの削除

  • AeroユーザーデータがAdobeのサーバーから削除される。
  • この日を過ぎると、ファイルを回復またはダウンロードすることはできなくなる。

まとめると、

  • 2025年11月6日(木)〜12月2日(火)Adobe Aeroアプリのダウンロードができなくなるが、すでにダウンロードしていればコンテンツの作成は引き続き可能。
  • 12月3日(水)〜 Adobe Aeroでのコンテンツの作成、Adobe Aeroで作成したコンテンツの編集・体験ができなくなる。

ということになります。

公式の代替ツール

Adobeは提供終了に関する公式FAQにおいて、今後代替のツールの提供の予定はないとしています。

Q.アドビには AR 機能を備えた同様の製品がありますか?

A.現時点では、ありません。

提供終了に関する公式FAQより:https://helpx.adobe.com/jp/aero/aero-end-of-support-faq.html

対応策・代替ツール

Adobe AeroでARが作成できなくなった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。

Adobe Aero同様、無料かつノーコードでARを作成できるツールにはpalanAR、LESSARなどのツールがあります。

palanAR

palanAR(パラナル)はブラウザ上でARの作成・公開が行えるツールです。2019年のサービス開始以来、プロモーション、観光、教育などで37,000以上のARが作成され、2,400社以上に導入されています。

https://palanar.com/

■特徴

  • 初心者にもわかりやすい操作画面で、イベントの作成や撮影ボタンなどの画面の編集も簡単に行うことができます。
  • 画像認識、平面認識などシンプルなARはもちろん、顔認識AR、GPSを使ったAR、ぬりえARなど、無料プランでも8種類のARを作成できます。
  • また、無料プランでも撮影ボタンなどのUI編集、「タップしたらオブジェクトを回転する」「動画を再生する」などのイベントの設定も可能になっています。

無料でも使えるツールながら、オリジナリティ溢れるARを作成できることが特徴です。

LESSAR

LESSAR(レッサー)はクラウドサーカス株式会社が提供する、素材をアップロードするだけですぐにARが作成できるツールです。シンプルな操作のみで簡単にARを作成することができます。

https://less-ar.jp/

■特徴

LESSARはシンプルな編集画面で、簡単に操作・コンテンツ管理ができることから、エンタメ、教育、観光など、さまざまな業界で豊富な導入実績があります。

また、運営元のクラウドサーカス社はCMS、MAツールなどのマーケティングツールも展開しており、ARにとどまらない包括的なサポートを受けることができます。

Niantic Studio

「Niantic Studio」は、Niantic社が提供する、ARコンテンツを作成できるツールです。「8th Wall」を基盤としたAR/XRコンテンツ作成が可能です。

https://www.8thwall.com/products/niantic-studio

■特徴

  • Niantic社が保有する高い技術を一部無料でARへ活用することができます。
  • 無料でもAR作成が可能ですが、無料で商用利用できるのは1~10人までのチームのみになっており、8th Wallのロゴが入ります。(2025年8月13日時点)
  • また、作成画面は英語になっており、作成画面も開発者向けツールに近く、初心者にはやや難しくなっています。

利用場面別おすすめツールまとめ

おすすめのツールを利用場面でまとめるとこのようになります。

  • シンプルなARや、イベントやUIも設定した、自由度の高いARを作成したい→ palanAR
  • シンプルなARをすぐに作成したい → LESSAR
  • 高度な技術を利用して開発したい → Niantic Studio

それぞれのツールの詳細はこちらの記事をご覧ください。

WebARを無料で作成/開発する方法・ツールまとめ

おわりに

Adobe Aeroの提供終了について、影響やスケジュール、対応策についてご紹介しました。

本記事がスムーズな移行を進めるための参考となれば幸いです。

palanARについて

本メディアを運営する株式会社palanでは、ノーコードAR作成ツール「palanAR」を開発しています。

palanARでは知識や技術がなくとも、誰でも簡単にWebARを作成することができます。

無料で簡単に登録ができ、すぐにARを作成できますので、ぜひお試しください。

palanARサービスサイト:https://palanar.com

サービスご説明資料:https://palanar.com/document_download?type=palanar_service

palanについて

また、palanではARの企画・制作も行っております。

企画段階からご相談が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

サービスご説明資料:https://studio.palanar.com/dc_download_palanarstudio

お問い合わせ:https://studio.palanar.com/contact

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