メタバースとは?意味、具体例、やり方をわかりやすく紹介【VR】

近年、話題になっている「メタバース」
本記事ではそんなメタバースについて、用語の意味や、定義・条件、具体的なサービス例(アプリ)、始め方まで、簡単にわかりやすくご紹介します。

メタバースとは?

メタバース(Metaverse)とは、一般的にインターネット上に作られた3次元の仮想世界で、他のユーザーとコミュニケーションが取れるプラットフォームのことを言います。

画像: 筆者がメタバース(VRChat)内で友人たちと温泉に入る様子

メタバースの定義はない?

さて、ここで上述の説明について注釈を付けておきたいのですが、現在メタバースには厳密な定義や条件はありません。

というのも、この語はもともとSF小説の中で登場した造語で、meta(高次の)verse(宇宙・世界)を組み合わせたもの。
「メタバース」と一言で言っても、この言葉は辞書などで語意が定義されているものではなく、多様に解釈することが可能です。

[補足] メタバースという語の歴史
メタバースという言葉は、1992年に発表されたアメリカのSF作家ニール・スティーヴンスンの小説「スノウ・クラッシュ」で使用された言葉。
作中に登場する、オンライン上の仮想世界のことを指して使われている。参考

しかし近年Meta社(旧Facebook社)を始めとして、多くの企業や関係者が独自に定義・条件を提案することで、それぞれが思い描く未来のビジョンを表現しています。

メタバースについてもう少し理解を深めるために、提案されている定義・条件を見てみましょう。

代表的なメタバースの定義

代表的なメタバースの定義として、投資家のMatthew Ball氏の定義をご紹介します。
Ball氏は2018年という早い段階でメタバースについての展望と、メタバースの核となるであろう7つの条件挙げています。
それがこちら。

1. Be persistent
(永続的であること)

2. Be synchronous and live
(同期的でリアルタイムであること)

3. Be without any cap to concurrent users, while also providing each user with an individual sense of “presence”
(各ユーザーに「存在感」を提供しつつ、同時接続のユーザー数に上限を設けないこと)

4. Be a fully functioning economy
(充分に機能する経済があること)

5. Be an experience that spans
(越境的な経験であること
※主にデジタル/物理世界、私的・公的なネットワーク/経験、オープン/クローズのプラットフォームに対し、両方にまたがる体験であること)

6. Offer unprecedented interoperability
(今までにない相互運用性があること
※アセットなどがプラットフォームをまたいで使用できる など)

7. created and operated by an incredibly wide range of contributors
(幅広いクリエイターたちによって作成・運用されること)

引用: The Metaverse: What It Is, Where to Find it, and Who Will Build It
※カッコ内の記述は、本記事の筆者が訳や補足を追記しています

例えば「リアルタイムである」の項目に限定すれば、MMO(Massively Multiplayer Online)などをはじめとする、オンラインゲームが当てはまるかもしれません。
しかし一方で「永続性がある」「越境的な経験である」「相互運用性がある」などは2022年現在、実現が難しいかもしれません。

このように、理想のメタバースの条件・定義を基準とすることで、既存のサービス/アプリと比較して「メタバースとはどのようなものか?」(どうあるべきか)についてさらに理解を深められるのではないでしょうか。

ただ、もちろんBall氏の条件はひとつの例。前述のようメタバースは広義的に捉えることができます。
マルチプレイヤーの仮想世界という意味では、既に多くのメタバースサービス/プラットフォームが登場しています。

具体的なサービス/アプリ

さて、次に気になるのは今すぐ体験できる具体的なサービスはあるの?というところ。

2022年現在、メタバースと呼ばれるサービスには以下のようなものが挙げられます。

・VRChat
・Cluster
・NeosVR
・バーチャルキャスト
・REALITY
・Horizon Worlds
・Second Life
・Roblox
・The Sandbox
・Rec Room
・XR World
・ZEPETO

これらがどのようなサービスなのかについては、以下の記事で詳細にまとめていますのでご覧ください。
次章ではこの中から、「Clsuter」というメタバースプラットフォームを体験する方法をご紹介します。

メタバースのやり方/始め方

メタバースについて知った後は、実際にメタバースに入ってみましょう!

今回は、スマホ、PC、VR機器(Quest2)という多くのデバイスで対応している日本のメタバースプラットフォーム「Cluster」での体験方法をご紹介します。
(本記事ではMac PCを使用した手順で解説します)

Clusterの詳しい対応端末についてはこちらをご覧ください。

[補足] メタバースを体験するにはVR機器が必要?
メタバースというとVR、というイメージの方も多いかと思いますが、現在はスマホ・PCで手軽に楽しめるサービスも多くあります。まずはお手持ちのスマホ・PCで試してみてはいかがでしょうか。
しかしVR機器では、より没入感のある体験ができる、VR専用のメタバースサービスを体験できるなどの利点があります。さらに本格的にメタバースを楽しみたい方は、VR機器をゲットするのがおすすめです。

1. 登録&アカウント作成

Clusterを利用するには会員登録が必要です。公式サイトより会員登録を行いましょう。
PCサイトでは画面右上に新規登録ボタンがあります。

画像: スクリーンショット

ユーザーIDと表示名(他のユーザーに表示される名前)、アイコンを設定したら完了!

2. アバターの設定

会員登録できたら自分の分身となるアバターを設定しましょう!

ClusterのWebサイトでログインした後、右上に表示された自分のアイコンをクリックするとメニューの中に「アバター」の項目が発見できます。

2022年8月現在は以下のアバターから好きなものを選択できます。
お好みのアバターを設定しましょう。

[補足] アバターについて
メタバースのサービスでは、公式がデフォルトのアバターを提供していることが多いですが、より自分好みの姿で楽しみたい場合には自分でアバターを用意するのがおすすめです。
アバターの入手方法は、boothなどのマーケットで購入、3Dモデラーにオーダーメイドで依頼、また自身で(3Dモデリングツール、VRoidなどを使用して)作成するなどが挙げられます。

3. ワールドに遊びに行く

アバターの設定が完了したらメタバースの醍醐味、他のユーザーと交流しに行くためにワールド(仮想空間)に入りましょう!

まずはCluster公式が、ユーザーが集う場所として提供しているワールドCluster Lobbyに行ってみるのがいいかもしれません。

一般的にメタバースサービスではCluster Lobbyのように公式のワールドが用意されており、ユーザーが多く集まるため交流に適しています。

画像: 筆者がClsuter lobbyにて友人たちとコーヒーブレイクする様子

会員登録〜アバター設定まではWebでできますが、ワールドに入るときには専用のアプリを開く必要があります。
Mac版のアプリでは、「探索」というメニューからワールドを探して入ることができます。

Cluster Lobbyでアプリの使い方に慣れたら、他のワールドへ遊びに行ったり、ワールド作成に挑戦してみるのもいいかもしれません。

まとめ

さて、本記事ではメタバースという語の意味から条件、実際のサービスや体験方法までご紹介しました。
近い将来、Ball氏の提唱するメタバースの7つの条件をクリアするプラットフォームが登場するのか、楽しみですね。

一方で、既にVRChatなどのアプリでは仮想世界ならではの文化や楽しみ方、人間関係が生まれています。
ぜひ実際の体験を通して、メタバースへの理解を深めてみてはいかがでしょうか。

参考文献、記事

メタバース さよならアトムの時代 – 著: 加藤 直人
The Metaverse: What It Is, Where to Find it, and Who Will Build It – Matthew Ball

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