12月2日、VPSの概要やできること、株式会社palanが実際にVPSを使用した上で、生じた利用のメリットや課題などを、実例を交えて発表するイベント「【プロモーション担当者必見】AR業界注目の、位置情報を用いた新技術『VPS』イベント満足度を向上させる新しい施策とは?」が開催されました。
本記事ではその概要をお届けします。
VPSとは?
VPSとは、ビジュアル ポジショニング システムの略で、高精度にARの位置合わせを行う技術です。
従来のARでは、マーカーなどの設置が難しい街中で、思った位置にARを出現させるのは難しく、大きな課題となっていますた。
VPSの登場により問題が解消され、位置に紐づいたAR体験を行うことが可能となりました。
似たものとしてGPSがありますが、こちらは精度は大雑把ではあるものの、スキャンが不要なことから使いやすい技術です。
対してVPSは精度が良いものの、体験時に位置合わせのためのスキャンが必要となります。
VPSの事例
VPSはまだ出て日が浅い技術ではあるものの、様々な企業や開発者が利用を試みています。
想定される利用シーンとして、下記のようなものがあります。
・道案内や、商店街全体のプロモーション
・お店の看板のデコレーション
・公園のモニュメントを使ったイベント
・デパート内の一画をARで彩る
・ARを使った宝探し
さらに実例として4つ紹介されていました。本記事ではそのうち2つをご紹介します。
1つめは、街中にドラゴンが出現し場所に合わせて飛び回ったり、屋根の上にとまったりするARです。
2つめは、WebARでもVPSを使用している例です。
こちらでは気球から地面に対して錨をおろし、キャラクターがビルの中に入っていく様子が見られます。精度が劣りがちなWebですが、地面や建物をしっかりと認識している様子が見られます。
このように、VPSは従来では難しかった表現を可能とする技術と言えるでしょう。
VPS利用の流れ
VPSは大きく2パターンのやり方があります。
一つ目は、スキャンが不要な(意図的に行わない)VPS、そしてもう一つはスキャンが必要なVPSです。
スキャンが不要なVPSは、Googleが提供しているサービスで、体験時のスキャンが不要な反面、街中や道路でしか効果を発揮できません。
スキャンが必要なVPSは、様々な企業が提供しています。条件によっては屋内や公園などでも使用可能です。先程の例にあったように、WebARで利用できるものもあります。
株式会社palanによる実例
アプリで使えるVPS
palanがVPSを使用している例として、ノーコードでARが作成できるツール、palanARのアプリが紹介されています。
palanARではGPS ARをWebで作成したのち、アプリでQRコードを読み込むとVPSとして再生できます。
VPSで可能になったこととして、マーカーの設置や位置合わせが難しかった街中で 気軽にARが使用できるようになったことや、起動位置から遠い場所へのAR表示が簡単になったことがあげられます。
また、課題としては表示したARの遠近感が掴みにくい、遮蔽物を無視すると言ったものがあるとしています。
Webで使えるVPS
Webでは「Lightship VPS for Web」という、Nianticから提供されているサービスを使用します。
palanで制作した例として、デジタルによるスタンプラリーを紹介していました。
WebARでVPSを使用することによって、従来に比べ様々なメリットを得ることができます。
・観光地やイベントなどの回遊 → 完走率のup(QRベースだと25%程度)
・1つのURLのみでスタンプを貯めることができる
・現実空間と連動した演出
さらにVPSを利用することによって、ARを組み込んだツアーや、「その場に行く」こと自体に価値提供をすることができ、観光地の魅力づけが可能となると予想できます。
また、応用例として道案内や、ダムや新規店舗などの建設予定地にARでイメージを出現させることも可能です。
まとめ:VPSの可能性を広げていく為に
その後の質疑応答も活発に行われ、本セミナーは終了となりました。
VPSまだ出たばかりの技術であり、何ができるのか、どういった課題にアプローチできるかはまだ手探りの段階です。
「課題が自社、クライアント企業であるので使えないか」「こんなことがVPSで実現できないか」と言ったご要望やアイデアがございましたら、下記よりpalanまでお気軽にお問い合わせください。
https://xr.palan.co.jp/contact
メールアドレス: contact@palan.co.jp