近年、XR(クロスリアリティ)技術への注目が日々高まり、その中でも私たちの生活に最も身近なデバイスとして「ARグラス」が急速に普及し始めています。
スマートフォンでARコンテンツを体験したことがある方も多いと思いますが、ARグラスを使えば、現実世界にデジタル情報を重ね合わせる「拡張現実」を、ハンズフリーでより自然に体験できるようになります。
しかし、「ARグラスってどんなもの?」「スマートグラスと何が違うの?」と疑問に感じている方も少なくないでしょう。
本記事では、ARグラスの基本から、できること、スマートグラスとの違い、そして最新の主要モデルまで、AR専門メディアの視点からわかりやすく解説します。
ARグラスとは

ARグラスは、現実世界にデジタル情報を重ねて表示する「AR(Augmented Reality:拡張現実)」機能を搭載したメガネ型のウェアラブルデバイスです。レンズ部分がディスプレイになっており、装着者の視界に映像、画像、テキスト、3DCGなどを投影します。
現実の景色にバーチャルな情報を違和感なく重ねることで、私たちは「現実を拡張する」という視覚体験を得られます。スマートフォンやPCの小さな画面に縛られることなく、目の前の世界をインタラクティブな情報空間へと変えることができるのです。
ARグラスは、VR(Virtual Reality:仮想現実)ゴーグルとは異なり、視界が完全に覆われることはありません。現実世界を認識しながら、そこに情報を付加する点が大きな特徴です。この特性から、日常生活やビジネスシーンでの利用が想定されており、ゲーム、エンターテインメント、遠隔作業支援、教育など、多岐にわたる分野での活用が期待されています。
スマートグラスとの違い
ARグラスと混同されがちなのが「スマートグラス」です。見た目が似ているため、両者を同じものだと認識している方もいるかもしれませんが、機能や目的が異なります。

スマートグラス
スマートグラスは、「情報表示や通信機能を備えたメガネ型のウェアラブルデバイス」の総称です。主な目的は、ハンズフリーで情報を確認したり、通話を行ったりすることにあります。
小型のディスプレイに通知や簡易的なナビゲーションを表示したり、内蔵されたカメラで作業風景を撮影・共有したりする用途で使われます。
ARグラス
ARグラスは、スマートグラスの中でも特に「AR(拡張現実)」の機能に特化したデバイスです。現実世界を認識し、その上に仮想的な情報を重ねて表示(重畳表示)することで、現実とデジタルが融合した体験を提供します。
XRグラス
XRグラスの「XR」は、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といった現実と仮想を融合する技術の総称「Extended Reality(クロスリアリティ)」から来ています。つまり、XRグラスとは「XR技術を体験可能なメガネ型デバイス」全般を指す、より広範な概念です。
XRグラスには、AR機能に特化したものもあれば、単純なディスプレイ機能を持つだけのものも含まれます。
まとめ
スマートグラスは、通知表示やハンズフリー通話など、情報表示や通信といった機能を備えたウェアラブルデバイスの総称です。一方、ARグラスはスマートグラスの一種であり、特に現実世界にデジタル情報を重ねて表示する「拡張現実(AR)」機能に特化している点が大きな違いです。
- スマートグラス:情報表示や通信といった機能を備えたウェアラブルデバイスの総称。AR機能(重畳表示)を持たない。
- ARグラス:スマートグラスやXRグラスの一種であり、特にAR機能に特化している。現実世界にデジタル情報を重ねて表示可能。
- XRグラス:XR技術を体験できるメガネ型デバイスの総称。
ARグラスでできること
ARグラスが提供する体験は多岐にわたりますが、それらは大きく以下の4つのカテゴリに抽象化できます。これらの体験は、個人の日常からビジネスの現場まで、様々なシーンで私たちの生活を豊かにします。
1. 大画面での情報閲覧・コンテンツ視聴

ARグラスをかけるだけで、目の前に巨大な仮想スクリーンを出現させることができます。スマートフォンの小さな画面に縛られることなく、プライベートな空間で映画を鑑賞したり、PCのマルチモニターのように複数のウィンドウを同時に表示して作業効率を上げたりすることが可能です。
満員電車の中やカフェなど、場所を選ばずに自分だけのパーソナルディスプレイを持つことができます。
2. 現実世界へのデジタル情報の重ね合わせ

https://newsroom.snap.com/six-months-of-spectacles?lang=ja-JP
現実の風景に、デジタルな映像やテキスト、3Dモデルを違和感なく重ねて表示できます。特定の場所に情報を付加したり、現実の物体にインタラクティブな要素を加えたりすることが可能になります。
例えば、初めての場所でのナビゲーションで道順が目の前に矢印で表示されたり、美術館で作品解説がホログラムで浮かび上がったりといった体験がこれに当たります。
3. ハンズフリーでの作業支援

https://www.lenovojp.com/business/special/174/
ARグラスは、手を使わずに情報を確認・操作できるため、両手がふさがっている状況での作業をサポートします。
マニュアルや図面を目の前に表示しながら機械の修理を行ったり、遠隔地の専門家と視界を共有しながら指示を受けたりすることができます。これにより、作業効率の向上やミスの削減、技術継承の円滑化が図れます。
4. 仮想と現実が融合したインタラクティブな体験

https://newsroom.snap.com/six-months-of-spectacles?lang=ja-JP
ARグラスは、現実空間を舞台にしたより没入感のあるゲームやコンテンツ体験を提供します。スマートフォンARのように画面を介さず、目の前にキャラクターやオブジェクトが現れ、現実の風景と連動して動きます。
単なるゲームの枠を超え、現実世界を拡張した新しいエンターテインメントやシミュレーションが可能になります。
ARグラスのビジネス導入メリット
ARグラスは、単なる新しいガジェットではなく、企業の生産性向上、コスト削減、そして競争力強化に貢献する強力なツールです。その主なビジネス導入メリットは、以下の3つの側面に集約されます。
1. 生産性の飛躍的な向上
ARグラスを導入することで、従業員は手作業を止めずに、必要な情報を視界に表示させることができます。これにより、作業効率が大幅に向上し、ヒューマンエラーを削減できます。
- ハンズフリー作業: 製造、物流、建設、医療など、両手を使う作業が多い現場で特に有効です。マニュアルやチェックリストを目の前に表示しながら作業を進められるため、紙の資料を見たり、端末を操作したりする手間が省けます。
- 効率的な情報アクセス: 現場にいながらにして、図面、センサーデータ、在庫情報などをリアルタイムで確認できます。これにより、事務所に戻って情報を探すといった無駄な時間をなくし、作業時間を短縮できます。
- 専門性の可視化: 熟練者の動きやノウハウをARグラスで記録し、新人研修に活用できます。複雑な組み立て手順や検査ポイントを3Dモデルで可視化することで、教育期間を短縮し、技術継承を円滑に進めることができます。
2. コミュニケーションと意思決定の円滑化
遠隔地とのコミュニケーションや、複雑な情報の共有がARグラスによって劇的に改善されます。
- 遠隔作業支援: 遠隔地の熟練者がARグラスを通して現場作業員の視界をリアルタイムで共有し、口頭やARマーカーで的確な指示を出すことができます。これにより、出張コストを削減しながら、迅速な問題解決が可能になります。
- 3D情報の共有: 建築や製品設計のレビューにおいて、完成イメージの3Dモデルを実物大で現実空間に重ねて表示できます。これにより、関係者間の認識のズレを防ぎ、意思決定を迅速に進められます。
3. 新たなビジネスモデルと顧客体験の創出
ARグラスは、これまでにない顧客体験やサービスを提供し、企業の新たな収益源となり得ます。
- 購買体験の革新: 小売業界では、ARグラスを使って家具の配置を試したり、仮想の試着を楽しんだりするサービスが生まれています。これにより、顧客は商品の購入後のイメージを具体的に持つことができ、購買意欲の向上に繋がります。
- パーソナライズされたサービス: ARグラスを介して、顧客の興味や行動に合わせた情報をリアルタイムで提供できます。例えば、店舗内で特定の商品をARでハイライト表示したり、顧客の視線に合わせてセール情報を表示したりすることが可能です。
- ブランドイメージの向上: 革新的なAR技術を導入することで、企業はテクノロジーに積極的で、先進的なイメージを顧客にアピールすることができます。これは、競合他社との差別化を図る上で大きな強みとなります。
ARグラスの導入は、単に効率を上げるだけでなく、未来のビジネスを創造するきっかけとなります。
ARグラスの注目が高まる理由
ARグラスは価格や表示領域の制限などから、一般消費者への普及が課題でしたが、近年は注目が高まりつつあります。2026年には「Android XR」に対応した世界初のARグラス「Project Aura」が発売するなど、各社から新デバイスも続々と発表されています。
1. 技術の進化:軽量化とワイヤレス化
かつてのARグラスは、重く、かさばるものが多く、長時間装着するのは困難でした。しかし、近年、以下のような技術の進歩により、この課題が克服されつつあります。
- ディスプレイの小型・高性能化: 従来の大型ディスプレイに代わり、小型で高解像度、低消費電力なMicroLEDや有機ELなどのディスプレイ技術が開発されています。これにより、グラス本体の小型化・軽量化が実現しています。
- 光学系の進化: 特殊なレンズ(導光板)を使用することで、光を効率的にユーザーの目に届けることが可能になり、レンズや光学部品の小型化に繋がっています。
- ワイヤレス接続の普及: 以前はARグラスとスマートフォン/PCを有線で繋ぐのが主流でしたが、Wi-FiやBluetoothの進化により、ワイヤレスでの接続が主流になりつつあります。これにより、ケーブルによる煩わしさから解放され、より自由なAR体験が可能になりました。ただし、ワイヤレス化はグラス本体のバッテリーを大きくする傾向があるため、各社がバランスを模索しています。
2. コンテンツとエコシステムの拡大
ARグラスがただのハードウェアに留まらないのは、その上で動くコンテンツが充実してきた点も背景としてあります。
- エンタメ・消費用途の拡大: XREALシリーズのように、スマートフォンやPCの映像をARグラスの仮想大画面に表示する「パーソナルディスプレイ」としての使い方が一般に浸透してきました。これにより、映画鑑賞やゲーム、仕事でのマルチタスク作業など、多くの人がARグラスの恩恵を日常的に受けられるようになりました。
- エコシステムの構築: ARグラスの利用シーンは単なるエンタメにとどまらず、仕事やクリエイティブな分野へと拡大しました。各社がそれぞれのOSやアプリ開発環境を整備し、魅力的なコンテンツが次々と生まれるエコシステムが構築され始めています。
3. 社会的なニーズの高まり
コロナ禍を経て、リモートワークやオンラインコミュニケーションが一般化したことも、ARグラスへの注目を後押ししています。
- リモートワークの効率化: ARグラスを使えば、どこにいても目の前に複数の仮想ディスプレイを立ち上げて作業できます。これにより、物理的なオフィス環境に縛られることなく、生産性の高いワークスペースを構築できます。
- 遠隔作業支援の需要増: 製造業や医療現場では、ARグラスを通して熟練者が遠隔地から現場の作業者をサポートするソリューションが普及し始めています。これにより、技術継承や業務効率化が図れるため、企業からのニーズが非常に高まっています。
今後はさらに軽量化・高性能化が進み、スマートフォンに代わる次世代デバイスとして、私たちの生活に欠かせないものになっていくでしょう。
ARグラスの利用シーンと可能性
ARグラスがもたらす体験は、私たちの生活や働き方を大きく変える可能性を秘めています。ここでは、ARグラスが個人とビジネスにもたらす具体的なメリットやユースケースについて解説します。
個人の利用シーン
エンターテインメント

ARグラスを装着すれば、目の前に巨大な仮想スクリーンを出現させ、どこでも映画館のような迫力で映像コンテンツを楽しめます。移動中の電車内やカフェでも、周囲を気にすることなく自分だけのプライベート空間を作り出すことができます。
ゲーム

画面幅の限られるスマートフォンARゲームとは異なり、ARグラスは現実世界を舞台にしたより没入感のあるゲーム体験を提供します。目の前にキャラクターが現れ、現実の風景と連動したインタラクティブなプレイが可能です。
ナビゲーション
初めて訪れる場所でも、現実の風景にディスプレイ上で矢印や経路を重ねて表示してくれるため、迷うことなく目的地にたどり着くことができます。
シミュレーション
家具や家電を購入する際、ARグラスを使えば、実際に部屋に置いたときのサイズ感や雰囲気を事前に確認できます。また、アパレルやコスメのバーチャル試着も、よりリアルな感覚で行えるようになります。
ビジネス・産業での活用事例
遠隔作業支援
製造業や建設業の現場で、熟練者がARグラス越しに作業者の視界をリアルタイムで共有し、遠隔地から的確な指示を出すことができます。これにより、作業効率の向上、ミスの削減、技術継承の円滑化が図れます。
研修・教育
複雑な機械の組み立て手順を3DCGで表示したり、危険を伴う作業のシミュレーションを行ったりするのに役立ちます。座学では習得しにくい実践的なスキルを、安全かつ効率的に学ぶことができます。
観光
観光施設や地域活性化のプロモーションにおいて、ARグラスは新たな体験を提供します。歴史的な建造物や史跡を巡る際に、ARグラスが当時の様子を3DCGで再現したり、ARキャラクターがガイド役となって案内を行うサービスを提供可能です。
情報共有とデータ可視化

物流倉庫では、ARグラスが作業者の視界にピッキングすべき商品の場所や情報を表示し、作業効率を飛躍的に向上させます。
また、建築現場では、完成イメージの3Dモデルを実際の現場に重ねて表示し、関係者間で認識を共有することができます。
医療分野
ARグラスを装着した医師が手術中に患者の生体情報や3Dモデルを参照したり、遠隔地にいる専門医からアドバイスを受けたりすることも可能になります。
ARグラスの使い方、接続方法
ARグラスは多くの場合、スマートフォンやPCなどの別のデバイスに接続して使用します。これにより、ARグラス本体の軽量化とバッテリー持続時間の向上が図られています。
接続方法
ARグラスの主な接続方法は、以下の2つに分けられます。
有線接続:

- ARグラスとスマートフォンやPCをUSBケーブルで直接接続する方法です。
- 多くのコンシューマー向けARグラスで採用されています。
- メリット: 安定したデータ通信が可能で、遅延が少ないのが特徴です。また、接続先のデバイスから給電できるため、グラス本体のバッテリーを小型化・軽量化できます。
- デメリット: ケーブルがあるため、動きが制限されることがあります。
無線接続:

- Wi-FiやBluetoothなどのワイヤレス技術を利用して、スマートフォンやPCと接続する方法です。
- MiRZAなどビジネス向けのデバイスで採用され始めています。
- メリット: ケーブルがないため、動きが自由になり、より快適なAR体験が可能です。
- デメリット: データ通信の安定性が環境に左右されることがあります。また、グラス本体にバッテリーが必要となるため、重量が増す傾向にあります。
基本的な使い方
ARグラスの使い方は、接続方法やモデルによって異なりますが、一般的な流れは以下のようになります。
1.接続とセットアップ:
- 有線接続の場合は、ARグラスとスマートフォン/PCをケーブルで繋ぎ、専用アプリを立ち上げます。
- 無線接続の場合は、BluetoothやWi-Fiでペアリングを行います。
2.キャリブレーション:
- 一部のモデルでは、初めて使用する際に視界の調整(キャリブレーション)が必要です。
3.コンテンツの選択と操作:
- 接続先のデバイスの画面を、ARグラスの仮想ディスプレイに映し出します。
- アプリやコンテンツは、スマートフォン/PCを操作するか、ARグラスに内蔵されたコントローラーやジェスチャー機能を使って選択・操作します。
4.AR体験の開始:
- 仮想スクリーンで動画を視聴したり、ARコンテンツを起動して現実空間にデジタル情報を表示したりします。
主要な最新ARグラス
ARグラス市場には、様々なメーカーが参入し、日々新しいモデルが登場しています。ここでは、代表的なモデルをいくつかご紹介します。(2025年8月時点の情報)
XREAL

ARグラス市場を牽引する代表的なメーカー。特に「XREAL Air」シリーズは、軽量かつコンパクトで、スマートフォンやPCと接続して大画面モニターとして利用できることから、一般ユーザーにも人気が高いモデルです。
2025年7月には独自の光学エンジンX Prismを搭載し、より鮮明な映像体験と最大57°の視野角で、さらに没入感と迫力のあるAR体験が可能な「XREAL One Pro」が発売されました。
2026年には「Android XR」に対応した世界初のARグラス「Project Aura」が発売されることが発表されています。
「XREAL One」の仕様や特徴についてはこちらをご覧ください。
Rokid

映画や動画視聴に最適な、エンタメ特化型のARグラスです。広い視野角と高解像度で、自宅にいながらにして仮想映画館のような臨場感を味わうことができます。超軽量設計で、長時間装着しても快適な点も魅力です。
2024年12月ごろから発送が開始された「Rokid AR Spatial」はARグラス「Rokid Max 2」とコントローラー「Rokid Station 2」がセットになっています。300インチ、32:9のウルトラワイド画面をスマートフォンなどからワイヤレスでキャスト可能です。
Spectacles(Snap)
.jpeg)
Snap Spectaclesは、Snap Inc.製のARグラスです。初代モデルは2016年に登場し、サングラスのフレームにカメラが内蔵されていました。
これまでのSpectaclesは写真撮影を目的としたデバイスでしたが、2021年の第4世代からはAR表示に本格対応し、センサーも搭載されたシリーズ発のARグラスとなっています。
第5世代は現段階では開発者向けのみに提供されていて、ワイヤレス、6DoF、スタンドアロンと、現時点で利用できるARグラスとしては最高レベルの体験が可能なデバイスです。
また、2025年6月に開催されたAWE 2025で発表された内容として、2026年には一般向けにより小型・軽量化(現行比で大幅減)、長時間駆動、AI連携強化の「Specs」が発売されるとのことです。
Spectacles、Specsについてはこちらの記事をご参照ください。
現時点のコンシューマARグラスの本命!?「Snap Spectacles ’24」「Specs」最新動向&実機体験レポート
MiRZA®(NTTコノキューデバイス)

MiRZAはNTTコノキューデバイスから2024年10月に発売された、軽量でワイヤレス、高性能なXRグラスです。
クアルコム社のチップセットSnapdragon AR2 Gen 1を世界ではじめて搭載(NTTコノキューデバイス調査)し、スマートフォンと無線接続が可能です。
XRグラスのデメリットであるケーブル接続をなくし、移動を伴うようなシーンでも快適に使用できます。
公式サイトでは法人・個人問わずのユースケースが紹介されていますが、価格が税込248,000円からと少し高めになっており、ビジネスユースがメインとなりそうです。
MiRZAのレビュー記事はこちら!
dynaEdge XR1(dynaEdge XR1)

「dynaEdge XR1」はDynabook株式会社から2024年12月5日に発表された両眼透過型XR グラスです。
製造・メンテナンス・建設・物流業界などでは単眼タイプのグラスが使われることもあり、同社からは2018 年に、単眼型ウェアラブルデバイス「インテリジェントビューア AR100」も発売されていました。dynaEdge XR1は両眼タイプの透過型 XR グラスとすることで、単眼タイプの AR グラスと比較し、仮想 UI表示領域を大幅に改善されています。
主にビジネスユースが想定されていますが、今後は博物館や美術館、街歩き、スポーツ観戦での AR ガイド、コンテンツ表示も検討されているようです。
「dynaEdge XR1」についてはこちらの記事をご参照ください。
ARグラスの活用事例
ARグラスを実際にビジネスやエンターテイメントへ活用した事例をご紹介します。
店舗・購買
ENEN

D2C家具ブランドのENENは、「気軽に家具を楽しむライフスタイルを創造する」というビジョンのもと、自由にカスタマイズモジュラー家具を展開していました。2023年5月に自由が丘店、2024年7月には大阪店をオープンし、オンラインストアだけでなく実店舗でも家具や雑貨を販売し、体験コンテンツも提供していました。
ENENの代表的なモジュラー家具である「KUUM」は、何百通りもの組み合わせが可能でした。しかし、店舗の展示スペースに限りがあるため、全ての商品を展示できないという課題がありました。
この課題を解決するため、ENENはNTTコノキューデバイスのXRグラス「MiRZA」とForgersの3D・XRプラットフォーム「RITTAI」を連携させ、XRグラスによるAR体験を可能にしました。この機能を利用し、店舗にない商品の色や情報をXRグラスを通して確認できる実証実験を、自由が丘店と大阪店で実施しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000110582.html
建設・産業
GyroEye

GyroEye(ジャイロアイ)は、インフォマティクス社が提供する、主に建築・建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するAR/MRシステムです。設計データを現実空間に実寸大で投影し、工事現場の作業効率を飛躍的に向上させるためのツールです。
Magic Leap 2やMicrosoft HoloLens 2、iPhone/iPadのほか、XREAL Air2 Ultraにも対応し、ハンズフリーで設計データを確認することができます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000151.000070978.html
エンターテイメント
初音ミク スペシャルAR音楽花火

2025年9月15日(月祝) 19:45頃から、新潟県阿賀野市の遊園地「サントピアワールド」で開催する初音ミク公式イベント「初音ミク 夜空プログラム 2025」にて、音楽とARが融合する「スペシャルAR音楽花火」にARスマートグラス「XREAL One Pro」を使用した花火体験が行われます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000196.000070978.html
#会うぜけもV体験(XR体験)イベント

2025年4月19日(土)・20日(日)の2日間、富士急ハイランドにて「けものフレンズVぷろじぇくと」とのコラボイベント「会うぜ!!けものフレンズVぷろじぇくとin 富士急ハイランド」が開催されました。
「MiRZA®(ミルザ)」を装着すると、「けもV」メンバーが目の前にいるかのような体験ができ、対面であいさつ・ハイタッチなどコミュニケーションが取ることができます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000136.000110582.html
障害者補助
コミュニケーション支援アプリ

2025年3月15日に開催された、UPDATE EARTH2025 「ミライMATSURI」のsignersブースにて、XREAL Oneを活用したコミュニケーション支援アプリケーションが紹介されました。
ARグラスを用いてリアルタイムで手話通訳映像や字幕を重ね合わせるデモンストレーションが体験できました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000176.000070978.html
まとめ
ARグラスは、現実世界にデジタル情報を重ねて表示する「拡張現実」機能を搭載したメガネ型ウェアラブルデバイスです。
近年、軽量化、ワイヤレス化といった技術革新と、エンターテイメントから産業利用まで幅広いユースケースの登場により、ARグラスへの注目は急速に高まっています。
今後、ARグラスは私たちの生活やビジネスにおいて、新たな情報アクセス、コミュニケーション、そして体験の提供を通じて、不可欠な次世代デバイスとなることが期待されます。
ARグラス/XRデバイス体験会

Apple Vision Pro、ARグラス、AIスマートグラスなど最新のXRデバイスを、貴社社員やクライアントにご体験いただけるサービスです。
体験会の企画・設計からデバイスの貸出、当日のレクチャーまでをワンストップでサポートいたします。
詳細はこちら:https://studio.palanar.com/news/new_device_trial
資料はこちら:https://studio.palanar.com/document/newdevicetrial
ARグラスで見るだけで製品を体験できる「試せるARカタログ 」
「試せるARカタログ 」は、ARグラスを装着し、カタログに印刷されたQRコードを見るだけで、3Dモデルの製品が空間に表示され、細部の確認や試し置きをすることができるソリューションです。
車、医療機器など、商談の場への持ち運びが難しい製品でも、まるで実物が目の前にあるかのように紹介できます。
詳細はこちら:https://palan.co.jp/news/ar-catalog
資料はこちらよりダウンロードいただけます。:https://studio.palanar.com/document/ar-catalog/
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
palanについて

本メディアを運営するpalanでは、XREAL、MiRZA、dynaEdge XR1をはじめとした、ARグラス、XRデバイス対応のコンテンツ開発も行っています。
企画段階からご相談可能ですので、「ARグラスを自社のビジネスにどう活用できるかから相談したい」という場合でもお気軽にお問合せください。
詳細はこちら:https://studio.palanar.com/news/arglass_development
資料はこちら:https://studio.palanar.com/document/arglass_development