4月8日、株式会社ハコスコは、国内19文化財のデジタルアーカイブを公開しました。
https://hacosco.com/2022/04/16culturalproperty/
この事例では、デジタルアーカイブとして再現された文化財を、WebVR技術を用いて誰もが楽しめるブラウザで再生することができるコンテンツとして提供されています。
また、訪日外国人の認知獲得と来訪機会の創出のため、多言語でのナレーション解説を合わせて制作しており、多くの方がこれらの文化財への理解と関心を深めることのできる作品となっているとのことです。記事執筆時点では日本語の他、英語と中国語のナレーションを聞くことができます。
神戸市兵庫区の近代化遺産VR
本記事では公開された文化財の一つ、神戸市兵庫区の近代化遺産VRをご紹介します。
ページの作りとしては、下にスクロールしていくだけの親切な設計になっています。
スクロールする途中で気になる文化財があれば、詳細な説明を読んだり、音声ガイドを再生したりすることもできます。
さらに下へ進むと、湊川隧道をデジタルアーカイブとして再現した全体像をWebVRで見ることができます。こちらもスクロールすると内部へ進むことができますが、マウスをドラッグすることでその場で視点を回転させることができます。
同時に音声ガイドも流れるため、現地でツアーを体験しているような気分になります。
一番驚くのがそのスケールの大きさ。この手のコンテンツは技術的な大変さもあって、施設の一部やオブジェを公開して終わり…みたいなことも結構あるのですが、この湊川隧道はかなりのボリュームがあります。さらにどのシーンを見ても繊細に再現されており、見応えも十分にあります。
ただ見せるだけでなく、時々側面をうつしたり、全体像を見たりとデジタルならではの見せ方があるのもポイントです。
また、このページ自体はMetaQuest2などのVR機器に対応していないようですが、youtubeで360°動画が公開されています。
等身大のスケール感を体験したい場合はこちらを見てみるのも良いかもしれません。
まとめ
ただフォトグラメトリで取り込んだものをみせるだけでなく、細かいところに気配りが感じられます。株式会社ハコスコのノウハウが詰まった、デジタルアーカイブの好例と言えるでしょう。