まちづくりのAR活用|最新事例10選と活用のメリット3つを紹介。

「まちづくり」においてAR技術の活用が進み始めています。そもそも、「まちづくり」とは、「身近な居住環境を改善」し、「地域の魅力や活力を高める」取り組みのことです。

AR技術は、人々が住む場所の環境改善や魅力の底上げをする上で非常に効果的な手段となっています。

そこで、この記事ではそんな魅力的な「まちづくり」をする上で、注目されている「AR技術」について解説していきます。

ARを使用することで、これまでにない情報の発信ができたり、より満足度の高い体験を来訪者に提供できたりなど、さまざまな恩恵があります。

▼この記事で知ることができる内容
  • ARと観光地を組み合わせることで得られる可能性
  • ARと観光を組み合わせた事例

まちづくりでARを活用するメリット

まず「まちづくり」とは、「身近な居住環境を改善」し、「地域の魅力や活力を高める」取り組みのことです。このまちづくりにAR技術を活用するメリットとして、下記の3点があげられます。

▼まちづくりでARを活用するメリット
  • メリット①|PR力の向上
  • メリット②|防災機能の強化
  • メリット③|まちの魅力度の向上

以下で詳細に解説していきます。

メリット①|PR力の向上

AR技術は、遠隔地の人々に対してまちの魅力を効果的にPRする上で非常に有効な手段です。

例を挙げると、ARを使ってまちの観光スポットやグルメを紹介したり、バーチャルなまち歩き体験を提供したりなど、様々な活用方法があります。

ARを使ったイベントをオンラインで開催することで、遠方に在住の方でもかんたんに訪れることができ、多くの人々にまちの魅力を伝えることができるのです。

また、まだ建設中の街などに対しても、有効です。ビルなどがない場所で駅までの距離の感覚が分かりづらいなど、そういった課題に対してもARを使うことでまだない街を目の前に擬似的に出現させることが可能です。

メリット②|防災機能の強化

ARは、災害時の避難誘導や情報提供にも有効活用できます。

近年多くなっている地震や台風などの災害発生時に、ARを使って避難経路をスマホ画面に表示したり、避難所までの距離や混雑状況をリアルタイムで確認できるようになりました。

緊急時の混雑防止になり、より迅速な避難につながるため、注目が集まっています。

メリット③|新たな体験提供によるまちの魅力の向上

ARを導入し観光客や住民に新たな体験を提供することで、まちの魅力向上に貢献することができます。

例えば、ARを使って歴史的な建造物や遺跡の再現や、バーチャルな観光ガイドなどがあります。ARを使ったゲームやイベントを開催することで、まちを活性化することもできます。

PR目的でのARを活用したまちづくりの事例

まずここではPR目的でARをまちづくりに導入した事例をいくつか紹介していきます。

▼PR目的でのARを活用したまちづくりの事例
  • 事例①|東急不動産株式会社:「竹芝新八景AR体験」
  • 事例②|渋谷PARCO:「AR花火を活用」
  • 事例③|東急プラザ原宿:「ハラカド」
  • 事例④|奈良・明日香村:ARスタンプラリーによる観光客誘致

以下でそれぞれ詳細に解説していきます。

事例①|東急不動産株式会社:「竹芝新八景AR体験」

東京ポートシティ竹芝(東京都港区)は、デジタルを活用したスマートシティを推進する地域です。この取り組みの一環で、ポートシティーもARも導入しています。

ポートシティー施設内の「竹芝新八景」で、環境への取組みを紹介することを目的とした来館者向けの体験コンテンツ「竹芝新八景AR体験」が提供されています。

アプリのダウンロードを必要としないため、来場者の方に気軽に試していただき、竹芝新八景についてビジュアルを交えて体感いただくことが可能です。

ARを使用した田植え体験など、都心に居ながら環境問題について学ぶことができるコンテンツを展開しています。

▼関連リンク
WebARを活用した「竹芝新八景AR体験」を開始 竹芝地区のエリアマネジメント活動にも活用

事例②|渋谷PARCO:AR花火を活用

渋谷PARCO 10階 テラスにて、音楽と光とAR花火がコラボレーションする「 MIRAI HANABI  in SHIBUYA PARCO 」が開催されました。

このイベントは、実際に花火を打ち上げるのが難しい都心部で開催されたもので、ARや立体音響を使用したこれまでにない花火イベントになっています。

▼関連リンク
渋谷PARCO屋上で体験できる光と音のコラボレーション

事例③|東急プラザ原宿「ハラカド」:イベントでのAR活用

2024年に開業した、東急プラザ原宿「ハラカド」では様々なイベントを開催しています。屋上テラスや雑誌ライブラリー、銭湯を舞台に、ハラカドでしか体験できない価値を提供しています。

その中でも注目したいのが、「ハラカド開業記念ルーフトップバーイベント」です。人々の「好奇心」を刺激し、新しい「発見」を提供していきたいというブランドコンセプトを体現する目的で開催されました。

この企画では、AR技術を活用した写真をSNSに投稿することで、ドリンク1杯をサービスするキャンペーンも実施しています。

▼関連リンク
東急プラザ原宿「ハラカド」4月17日開業 企業・クリエイターと連携し体験型の様々なイベントを展開

観光文脈でのARを活用したまちづくりの事例

続いて、観光文脈でのARを活用したまちづくりの事例について紹介していきます。

▼観光文脈でのARを活用したまちづくりの事例
  • 事例①|NTT:ImaginAR in NAGOYA」
  • 事例②|大阪・京橋駅:「京橋まちなかARミュージアム
  • 事例③|広島県江田島市:周遊ARコンテンツ
  • 事例④|奈良・明日香村:ARスタンプラリーによる観光客誘致
  • 事例⑤|熊本県阿蘇市:ご当地キャラクターの活用

事例①|NTT:ImaginAR in NAGOYA

愛知県名古屋市では、新感覚まちあそびARアプリ「XR City」を活用したさまざまな物語作品で遊ぶことができる体験型エンターテイメント「ImaginAR(イマジナル) in NAGOYA」が開催されました。

謎解きゲームがメインコンテンツになっており、最先端のAR技術を体験できるイベントです。

▼関連リンク
XR Cityを活用した体験型エンターテイメント「ImaginAR in NAGOYA」を開催!

事例②|大阪・京橋駅:「京橋まちなかARミュージアム」

「京橋まちなかARミュージアム」は、2023年に期間限定で開催された、AR(拡張現実)を活用したまちづくりイベントです。

京阪電車「京橋駅」周辺の特定エリアで、スマートフォンアプリを起動することで、AR化したアート作品やキャラクターを楽しむことができます。さらに、有名アニメキャラクターや巨大な桜など、さまざまなコンテンツを楽しめるイベントでした。

▼関連リンク
「京橋まちなかARミュージアム」公開実証実験第二弾スタート

事例③|広島県江田島市の周遊ARコンテンツ

広島県江田島市では、「観光スポットの案内が不足している」「二次交通情報(移動手段・バス停の場所等の入手が難しい」などの課題を抱えていました。これらの課題を解決するためにAR技術が採用されました。

そこで、江田島市各地に設置されている10ヵ所の観光スポットを巡るスタンプラリーを実施しました全区域を制覇することで、江田島市の豪華景品がもらえる、という内容になっています。

▼参考リンク
島が丸ごとARスポットに!広島県江田島市でARによる集客・周遊を促す実証実験を開始

事例④|奈良・明日香村:ARスタンプラリーによる観光客誘致

AR明日香村スタンプラリーは、ARを使いながら奈良県・明日香村の観光スポットを巡る企画となっています。

スマホを使って各スポットを巡り、スタンプを集めると景品がもらえる仕組みです。アプリのダウンロードが不要なので誰でも簡単に参加できるのが特徴です。

スタンプラリーを通して、明日香村の豊かな歴史文化を楽しみながら観光することが可能になりました。

▼参考リンク
奈良県明日香村にAR!? palanのAR Mapsが「AR明日香村スタンプラリー」に採用され、好評につき期間延長実施中!

事例⑤|熊本県阿蘇市:ご当地キャラクターの活用

熊本県はご当地キャラクターとARの活用をうまく進めている県の一つです。その一つとして「うちのくまモンを知りませんか?」があげられます。

広大な阿蘇エリアをゆっくりと堪能しながら気軽に参加できる謎解きイベントで、主に家族連れの旅行者から人気を博しています。

WebARを活用した謎解きと、ドライブ観光をかけ合わせた体験型リアル謎解きゲームとなっており、「パラレルワールドに迷い込んでしまったくまモンを助け出す」というストーリーに沿いながら進行して行きます。

▼関連リンク
ARリアル謎解きゲームinくまモンランド 阿蘇編「うちのくまモン知りませんか?」

教育・防災文脈でのARを活用したまちづくりの事例

続いて、教育・防災文脈でのARを活用したまちづくりの事例について解説していきます。

▼教育・防災文脈でのARを活用したまちづくりの事例
  • 事例①|東明館高等学校:地域教育の一環でARの活用を実施
  • 事例②|大阪市消防局:防災アプリ「防災コンシェル」

事例①|東明館高等学校:地域教育の一環でARの活用を実施

東明館高等学校探究ハウス1年生は、授業の一環として、2024年に基山町の駅前やモール商店街を中心とした各商店を取材しました。

取材内容に基づき、基山町を舞台としたARコンテンツを制作し、発表会を開催しました。AR作品には株式会社palanのノーコードツールを使用しており、完成した作品は基山町の観光資源として活用する方針です。

▼関連リンク
ARミライナビ基山プロジェクト、成果発表会を開催!高校生が基山町の各店舗向けのAR作品を制作!

事例②|大阪市消防局:防災アプリ「防災コンシェル」

防災コンシェルは、大阪市消防局が開発した、ARを使って地震時の避難方法を学ぶアプリです。

アプリ内で地震発生時の状況を再現したり、避難経路を案内したりすることで、市民の防災意識を高める効果があると言われています。

▼関連リンク
スマートフォン向け防災アプリ「防災コンシェル」を西尾市様に納入しました!

まとめ

今回は、AR技術を活かしたまちづくりと、その事例についてまとめました。

  • 地域の施設などのPRがさまざまな人に向けておこなえる。
  • 新しい体験を提供することで人が集まり、地域の活性化につながる。
  • 防災の面でも、知識共有・避難時の混雑緩和など貢献ができる。

ARを使用することで主に上記のようなメリットが得られます。

また、得られるメリットはまだまだたくさんあります。ARを有効活用し、魅力度を高めれば自然と人は集まってくるでしょう。地方創生や観光振興にはマップ機能を活用したAR体験が、過去事例を参照しても効果的です。

ただ、マップとARを連動させたアプリや機能の開発を0から実施しようとすると大きなコストがかかってしまいます。

そこでARMaps(エーアールマップス)がおすすめです。AR Mapsは、月5万円からブラウザで観光ARマップをどなたでも簡単にノーコードで作成できるサービスです。アプリダウンロードの必要がなく、1つの地図から複数のAR観光スポットを楽しむことができます。

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